研究課題/領域番号 |
13440027
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
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研究分担者 |
柳田 達雄 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
小林 亮 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60153657)
津田 一郎 北海道大学, 理学研究科, 教授 (10207384)
上山 大信 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20304389)
国府 寛司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202057)
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キーワード | 反応拡散系 / 大域分岐 / 進行波解 / 分水嶺解 / カオス的遍歴 / ミルナーアトラクター / リアプノフ指数 |
研究概要 |
散逸系における複雑時空パターンの解析に関する今年度の成果を以卞に列挙する。 1.散逸系に現れる空間局在解,例えばパルス解やスポット解が衝突するときの入出力関係を理解するために「分水嶺解」という不安定解を導入し、それにより、大変形を伴う散乱現象の理解と分類に成功した。これらの不安定多様体のつながり具合が複雑な入出力関係を理解するときの鍵となることが判明した。 2.ブロック共重合ポリマー系におけるジャイロイドモルフォロジーの形態を非局所項をもつ非線形偏微分方程式を用いて、数値的に再現し、かつスケール則を得た。またラメラ解、ヘキサゴナル解とダブルジャイロイド解の間の遷移ダイナミクスについても数値的に検証した。 3.反応拡散系に適したホモクリニック軌道の枝を大域的に追跡するソフトウエアーを独自に開発した。とくにFitzHugh-Nagumo方程式におけるマルチパルス解の自己崩壊に関する分岐解の階層構造をこれを用いて明らかにした。 4.ミルナーアトラクターを生成する一次元写像を円管状に連結した系でのカオス的遍歴の生成過程と、その基本的性質を詳細に調べた。特に最大リアプノフ指数の収束が極めて遅いという特徴が注目される。 5.特異摂動的ベクトル場のConley指数理論の応用として,時間と共にゆっくりと振動的に変化するある種の非自励的Hamilton方程式系における解の複雑な振舞いを記号力学系的に記述する方法を与えた。 6.Lorenz方程式のある種の特異極限における退化したheteroclinicloopの存在を示し,そこからの摂動で幾何的Lorenzアトラクタが現れることを証明した。
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