不確実性の下での動的決定解析とその応用

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13440037
• 研究機関: 北九州市立大学
• 研究代表者: 吉田 祐治 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (90192426)
• 研究分担者: 中神 潤一 千葉大学, 理学部, 教授 (30092076) ; 蔵野 正美 千葉大学, 教育学部, 教授 (70029487) ; 安田 正實 千葉大学, 理学部, 教授 (00041244) ; 隈本 覚 北九州市立大学, 経済学部, 助教授 (00254623) ; 岩本 誠一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (90037284)
• キーワード: ファジイ確率過程 / ファジイ理論 / 最適性の原理 / 不確実な環境 / 最適停止 / 最適意思決定 / 金融工学 / ポートフォリオ

研究概要

本研究は、不確実な情報を持つファジィ確率システムの数理構造に関する解析と最適停止門問題、決定理論、動的ゲーム論の応用研究を目的としている。本年度の主な研究成果は次の通りである。
1.不確実性環境下での決定過程の最適停止問題の研究を行った。
2.不確実性の下での連続時間決定過程の解析と最適停止問題の応用研究を行った。
3.不確実性の下での多目的動的停止ゲームの研究を行った。
4.1と2の応用として、金融工学でのオプションの価格付けやポートフォリオへの応用研究の研究を行った。
5.人の選好を用いた評価基準の研究を行った。
これらの研究成果は、国際学術雑誌European Journal of Operational Research, Fuzzy Sets and System, Computers and Mathematics with Applications, J. Nonlinear Convex Analysisや共著の著書Multi-Objective Programming and Goal-Programming (physica-Verlag, Springer,2003年出版)やFuzzy Sets and Systems - IFSA2003(Springer,2003年7月出版)に掲載されている。また、本研究成果は国内では、研究代表者と中神潤一教授(千葉大学)共同主催の研究集会「不確実性下の数理決定問題とその関連分野」(平成14年10月17日・18日、於千葉大学、発表件数20件)、京都大学数理解析研究所の研究集会、オペレーションズリサーチ学会、日本数学会において口頭発表を行い、また、国内外での国際学術会議IFSA2003(Istanbul),EURO/INFORMS2003(Istanbul)等において口頭発表を行った。
本年度は、ファジィ確率システムを基礎とした意思決定基準と金融工学でのオプションとポートフォリオの応用研究に於いて研究成果が得ることができた。本研究に参加した研究者は、本研究の実施計画に基づき、それぞれ一定の成果を納め、研究論文や口頭発表を行っている。

研究成果

• [文献書誌] 吉田祐治: "The Valuation of European Options in Uncertain Environment"European Journal of Operational Research. 145・1. 221-229 (2003)
• [文献書誌] 蔵野正美(共著): "Markov Decision Processes with Fuzzy Rewards"J. Nonlinear Convex Analysis. 4・1. 105-115 (2003)
• [文献書誌] 吉田祐治: "A Discrete-Time Model of American Put Option in an Uncertain Environment"European Journal of Operational Research. 151・1. 153-166 (2003)
• [文献書誌] 吉田祐治: "Continuous-Time Fuzzy Decision Processes with Discounted Rewards"Fuzzy Sets and Systems. 139・2. 333-348 (2003)
• [文献書誌] 吉田祐治(共著): "Fuzzy Stopping Problems in Continuous-Time Fuzzy Stochastic Systems"Fuzzy Sets and Systems. 139・2. 349-362 (2003)
• [文献書誌] 吉田祐治(共著): "A Multi-Objective Fuzzy Stopping in a Stochastic and Fuzzy Environment"Computers and Mathematics with Applications. 46・7. 1165-1172 (2003)
• [文献書誌] 蔵野正美(共著): "Markov Decision Processes with Fuzzy Rewards"Proceedings of Inter. Conf. on Nonlinear Analysis and Convex Analysis, (NACA2001). 第1巻. 116-123 (2003)
• [文献書誌] 岩本誠一: "Recursive methods in probability control"Advances in Mathematical Economics. 6・1. 55-68 (2004)
• [文献書誌] 岩本誠一: "制御差分方程式について"日本OR学会誌. 第50巻. 57-75 (2003)
• [文献書誌] 吉田祐治(共著): "Multi-Objective Programming and Goal-Programming (Chapter III-6: A Discrete-Time European Options Model under Uncertainty in Financial Engineering)(T.Tanino, T.Tanaka and M.Inuiguchi 編集)"Physica-Verlag, Springer. 426(415-420) (2003)
• [文献書誌] 吉田祐治(共著): "Fuzzy Sets and Systems-IFSA2003 (A Discrete-Time Portfolio Selection with Uncertainty of Stock Prices)(T.Bilgic, B.De Baets, O.Kaynac 編集)"Lecture Notes in Artificial Intelligence 2715, Springer. 735(245-252) (2003)