研究課題/領域番号 |
13440041
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平良 和昭 筑波大学, 数学系, 教授 (90016163)
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研究分担者 |
宮地 晶彦 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60107696)
木下 保 筑波大学, 数学系, 講師 (90301077)
若林 誠一郎 筑波大学, 数学系, 教授 (10015894)
中村 玄 北海道大学, 理学部, 教授 (50118535)
八木 厚志 大阪大学, 工学部, 教授 (70116119)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 特異積分作用素 / 非線型境界値問題 / 人口動態論 / 燃焼問題 / フェラー半群 / マルコフ過程 |
研究概要 |
本研究課題の研究成果は、以下の3つの研究テーマに分類される: (1)まず、確率論における「マルコフ過程の境界値問題」を関数解析学における「フェラー半群の存在問題」として捉え、楕円型積分微分方程式の場合について、偏微分方程式的手法を援用し、ヴェンツェル境界条件の下での解析的なフェラー半群の存在定理を証明した。この研究成果は、2003年10月に、ドイツのシュプリンガー社から、Springer Monographs in Mathematicsシリーズの単行本として出版されたが、本研究課題の最大の研究成果である。 (2)次に、数理生態学の「人口動態論」を非線型境界値問題と捉えて、詳しく考察した。この研究テーマは、古典的なマルサス及びフェアフルストの人口動態論を数学的な立場から解説する試みである。この研究の最大の特色は、実解析学における特異積分作用素論を広汎に援用して、不連続な係数を持つ場合に考察する点にある。一般的に、自然現象の不連続性は、その現象を記述する偏微分方程式の係数の不連続性として反映される。従って、本質的にフーリエ変換に立脚する擬微分作用素の理論よりも、1950年代にカルデロンとジグムントによって創始された特異積分作用素の理論の方が、最近では、種々の非線型問題の研究には有力視されている。 (3)最後に、「化学反応物に対する燃焼問題」を、活性化エネルギーが十分小さい場合及び活性化エネルギーが十分大きい場合について、それぞれ、断熱状態の化学反応現象の時間的な安定性の問題を、解の分岐理論を援用して、数学的に考察した。この研究テーマは、特に、応用上重要なパラメーターの臨界値(例えば発火点、消化点)の数値解析を実際に行なうことを目指している。
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