研究分担者 |
相川 弘明 島根大学, 総合理工学部, 教授 (20137889)
川中子 正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20214661)
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10154189)
倉田 和浩 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186489)
石毛 和弘 名古屋大学, 大学院・多元数理研究科, 助教授 (90272020)
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研究概要 |
村田實・土田哲生はR^n上の周期係数楕円型作用素LのGreen関数の漸近挙動を研究し、レゾルベントの積分表示(Bloch表現)の解析接続と鞍部点法を用いてGreen関数の無限遠点での漸近形を与えた。さらにその漸近形を用いて、Lに関するR^nのMartinコンパクト化を決定した。これはS.Agmonの論文が1984年に出版されてからの未解決問題を解決したものである(J. Differential Equations,195(2003),82-118)。 村田實はリーマン多様体上の2階放物型偏微分方程式に対する初期値問題の非負値解の非一意性が成り立つための最適な十分条件を研究し、新たな概念heat escapeを導入することにより単純かつ一般的な非一意性定理を確立した(Math. Ann. 327(2003),203-226)。さらにこの結果と村田・石毛による一意性定理(Ann. Scuola Norm. Sup. Pisa,30(2001),171-223)を様々な具体的問題に統一的に適用することにより、それらの初期値問題の非負値解の一意性が成り立つための必要十分条件を与えた。 村田實は上記の村田・石毛による一意性定理と村田により確立された歪積型2階楕円型偏微分方程式に対するMartin境界とMartin核の分解理論(J. Func. Anal.,194(2002),53-141)を用いて、統一的方法により様々の楕円型偏微分方程式に対するMartin境界とMartin核を具体的に決定した。この方法により、例えばR. GPinsky, D.Ioffe, V.Maz'ya, R.S.Martin等によって調べられたある種の楕円型方程式について、その正値解の構造を具体的に決定した。これらの結果は論文にまとめて投稿中である。
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