研究課題/領域番号 |
13440050
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
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研究分担者 |
小薗 英雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00195728)
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究所, 教授 (80174548)
飯田 雅人 岩手大学, 教育学部, 助教授 (00242264)
長澤 壯之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70202223)
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キーワード | 反応拡散系 / 集中現象 / 特異摂動 / 安定性 / 界面 / 空間的構造 |
研究概要 |
本研究は、反応拡散系を中心に偏微分方程式の解の空間的構造が時間の経過とともに複雑化する過程を解明することを目的として行うものである。 高木は、ギーラーとマインハルトによって提唱された活性因子・抑制因子の反応拡散系について、定常解の安定性を調べた。二つの同心球面に囲まれた領域において、抑制因子の拡散係数が無限大になった極限系の定常解のうち、境界上の一点でのみ極大となるものはいずれも適当な条件のもとで安定であることを確かめた。 西浦は、グレイ・スコットモデルの自己複製ダイナミクスに対する力学的観点から厳密理論を展開した。これにより、例えば数値実験で確認されていた「端に位置するパルスのみが分裂可能」という事実をいくつかの仮定の下で証明することが可能になった。 柳田は、歪勾配系と呼ばれる反応拡散系の周期定常解に対するエックハウス不安定性、また、周期的外力を受ける反応拡散系の安定劣調和振動解の存在などを示した。 飯田は、単独の準線型拡散方程式を、線型拡散と適当な反応からなる反応拡散系の特異極限と見なすことを試みた。特に、粒子の反射型遷移に基づく密度依存型拡散を記述する準線型拡散方程式に対して、その解を任意の有限時間内で近似する函数を解とするような反応拡散系を構成した。 小薗は、ナヴィエ・ストークス方程式の非定常解について、エネルギーの時間的減衰の速さを研究した。今回は外部領域における線型のストークス方程式の解が従来知られているよりも速く減衰するための条件を境界上での解の振る舞いを用いて表現した。 長澤は、ナヴィエ・ストークス方程式の弱解に対するエネルギー不等式の精密化の研究を行い、1/2階の分数冪差分について、差分幅を0に近づけるときの収束の速さと、補正項の表現の関係を求めた。 なお、当研究課題に関する研究集会を2001年12月に盛岡において開催した。
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