研究分担者 |
木村 弘信 熊本大学, 理学部, 教授 (40161517)
河野 實彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
古島 幹雄 熊本大学, 理学部, 教授 (00165482)
井上 尚夫 熊本大学, 理学部, 講師 (40145272)
岡 幸正 熊本大学, 理学部, 助教授 (50089140)
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研究概要 |
本研究は,合流型超幾何関数を重み付き退化超曲面配置の変形ととらえ,そのモジュライ空間の構造を解明することで関数の挙動を記述することを目的としていた.得られた成果は以下の通りである. 1.合流操作によるサイクルの構成 1次元サイクルの構成自体は既に行っていたが,合流操作の収束に関する定理を一般的な形で得た.多重サイクルの構成に取り組み,flag variety上にサイクルを構成する必要性を認識した. 2.rigid局所系の切断 その積分表示の存在を構成的に証明した.これはKatzらによる積分表示とは異なるものである.Katzらによる積分表示を解析し,それがSelberg型の特別な場合となることを見出し,(コ)ホモロジーの基底の構成に取り組んだ. 3.Stokes係数の計算 rigid局所系の切断の積分表示を利用して,それのLaplace変換として得られる不確定特異型方程式のStokes係数の記述を行った. 4.高次元空間上の局所系のrigidity rigid局所系の概念を高次元に自然に延長するとき,変数変換により見かけ上のrigidityが変化してしまう現象を発見した.このことにより,rigidityの内在的な定義を見出す必要があることを認識した. 5.微分方程式の変形理論 rigid局所系の構成に用いた手法を,non-rigidな場合にも適用することで,変形理論への応用を見出した.
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