研究課題/領域番号 |
13440058
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牧野 淳一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50229340)
|
研究分担者 |
穂積 俊輔 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (90229203)
野本 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90110676)
須藤 靖 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20206569)
小久保 英一郎 国立天文台, 理論天文学研究系, 助手 (90332163)
羽部 朝男 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90180926)
|
キーワード | 銀河形成 / 宇宙の大規模構造 / 銀河団 / ダークハロー / N体計算 / 並列計算機 / 専用計算機 / ツリー法 |
研究概要 |
本年度の目標は,第一はGRAPE-5の製造・調整、第二は大規模なシミュレーションのための並列化したツリー法プログラムの開発であった。このどちらも予定通り実現できた。まず、GRAPE-5については12月までに予定台数の導入、調整を終え、分担者に配分するものについては設定・配布も終えている。当初計画時に比べてホスト計算機の価格が下がっていたために、当初予定の768MBではなく1GBと大きな主記憶をもったホスト計算機を導入できた。また、東大では8ノードと大規模なシステムを構築した。 次に並列ツリー法については、各グループで開発を進めているがとりあえず東大では実用レベルのものが完成している。空間分割については従来からあるORB(再帰的直交分割)を2分割以上に一般化することで2のベキ乗にかぎらず任意のノード数で実行可能にした。再帰的直交分割の特徴である通信量の少なさはそのままにたもたれている。また、分割の生成自体は粒子をサンプリングして近似的な分割を行うことで高速化できた。重力計算時に必要になるツリー情報の通信や全体ツリーの構築についても、従来の方法に比べて通信量・計算量ともに小さくなる方法を考案・実装した。これらの工夫により、GRAPE-5同士をつなぐネットワークが標準的なFast Ethernetで10MB/s程度の通信速度しかもたない場合でも、実用的な粒子数では通信時間がボトルネックにならないようにできることを確認した。
|