研究概要 |
CCDを使って、いろいろなエネルギーでの電子雲形状を正確に測定した。これは、さらにメッシュ実験を進めることにより、達成できたもので、CCDの位置分解能向上の基礎的なデータを集めた。これを基にして、必要なデータベースを作り、各X線光子毎に位置を精度良く決定した。どんな素子に対しても、ある程度の制限は付くものの、画素よりも小さい位置分解能を達成した(Hiraga et al.,2001,JJAP)。 アメリカのX線観測衛星チャンドラのX線鏡の結像性能は0.3(8160)160.5秒角であり、CCD上でのレスポンスは14(8160)1620μmで画素の大きさ(24μm)よりも小さい。実際の取得しているデータには、スプリットイベントと称する電荷が周辺の画素にまで漏れたものを含んでいる。このスプリットイベントを詳細に調べた結果、CCD素子上の位置分解能として10μm以下を達成できていることが判り、さらにX線鏡で決まる極限性能であり、チャンドラ衛星の究極結像性能に初めて到達したものである(Tsunemi et al.,2001,Apj)。 必要な電子雲に関するデータベースがそろったら、これを高速で演算できるようにFPGAを使った演算アルゴリズムを作り、演算の高速化を図っている。演算の高速化は、FPGAによる演算の後、実時間でデータを蓄積し、表示することができる。現在ソフトの高速化を計っており、プロトン照射実験などにも逐次応用している。この他、X線観測衛星搭載の種々のCCD素子を使って観測を進め、超新星残骸についての新たな発見をした。
|