研究課題/領域番号 |
13440062
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
常深 博 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90116062)
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研究分担者 |
宮田 恵美 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40283824)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | X-ray CCD / Energy resolution / position resolution / Mesh experiment / charge cloud shape |
研究概要 |
X線検出器には、波長(エネルギー)分解能、時間分解能、位置分解能などいろいろな性能が要求される。この中で、撮像素子の場合、検出器そのものがX線のエネルギーを識別する必要がある。X線を直接検出するCCDは、エネルギー分解能として半導体検出器をしのぐ性能を持ち、更に高い位置分解能も持つ。位置分解能は画素の大きさで決まると考えられていたが、X線がCCD内部に作る電荷雲の大きさに起因する電荷の広がりから、その入射位置は画素よりも高い精度で決定できる。これを実現するには、電荷雲形状の測定が必要である。そのために、メッシュ実験法を開発して、いろいろなエネルギーのX線に対する電荷雲形状を測定できるようになった。その結果、電荷雲形状は、大体ガウス分布をしており、その大きさは、X線が素子内部のどの深さで光電吸収を起こすかで決まる。光電吸収を起こしたあと、埋め込みチャネルに到達するまでに拡散で広がっている。位置分解能を上げるには、現状では出来るだけ電荷雲の大きさを広げたほうが精度は上がる。表面照射型の素子の場合の電荷雲の広がりは標準偏差で表してせいぜい、1〜4μmであるが、裏面照射型にすると8〜15μmに達する。従って、裏面照射型の素子の方が位置分解能を改善しやすい。こうして、我々は、実際に24μm四角の画素を持つ裏面照射型の素子を使い、X線画像の精度が1μm程度になることを実証した。この技法は、アメリカの人工衛星チャンドラに搭載しているX線CCDにも適用でき、その位置分解能が改善されることを示した。それまで、X線望遠鏡の解像度は0.7秒角程度であったが、我々の手法を適用することにより、0.5秒角強の精度を達成できることが判った。我々の達成している精度は、較正に使用するX線画像のボケを考慮するとサブμmを達成していることが判った。今後は、撮像するX線画像そのもののボケがサブμmであるようなものに応用する予定である。
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