研究課題/領域番号 |
13440066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 宮城教育大学 (2002-2003) 東京大学 (2001) |
研究代表者 |
福田 善之 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (40272520)
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研究分担者 |
森山 茂栄 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50313044)
太田 忠之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10054363)
千葉 芳明 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40113881)
塩澤 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (70272523)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 太陽ニュートリノ / スーパーカミオカンデ / インジウム / ppニュートリノ / 半導体放射線検出器 |
研究概要 |
平成13年度において米国AXT社よりFeをドープした直径5cmの半絶縁型InP基板を購入し、浜松ホトニクス(株)にプロトタイプ検出器の製作を依頼した。素子の大きさは7mm×7mm×0.5mmで、Cr-AuとAu-Ge/Ni/Auの電極をオーミック接合した。リーク電流特性では、バイアス電圧の正負に拘わらず常温で500Vに対し約40μA、-40℃では100Vに対し0.018μAであった。一方、半導体基板に含有するU/Th系列による放射性バックグランドを評価するため、神岡坑内に設置された低BG用Ge検出器で測定を行い、それぞれ5×10^<-11>および3×10^<-11>g/gの上限値を得た。平成14年度では放射線応答性能を評価するために、α線およびγ線を照射した。バイアス電圧を1kVまで印可した結果、α線の信号は観測されて電荷収集効率(CCE)が約37%を得たが、γ線に関しては信号が得られなかった。そこで、低温による検出器の改善性を測定するために、ペルチェ冷却素子に設置したプロトタイプ検出器を製作した。しかし、冷却時に結露が原因となってスパイク状にノイズが発生し、いずれの放射線も観測できなかった。平成15年においてCCEの改善性を計るために更に高電圧のバイアスを印可するための電源と高ゲイン型の電荷増幅器を購入し、常温型のプロトタイプについて研究した。バイアス電圧を3kVまで印可した結果、γ線に信号を観測することが可能になり、放射線測定器としての性能評価を行った。^<133>Baの356keVの光電ピークや、^<137>Csの662keVγ線のコンプトン分布、更に^<57>Coの122keVγ線の光電ピークの片が観測した結果、キャリアを生成するエネルギーが0.4eVとなり、文献によるInPの電子・ホール対生成エネルギー4.2eVに比べて1/10で電荷が生成している事実を突き止めた。また、この事実はα線の観測でも得ている。プロトタイプ検出器では電離作用による発生した電荷を電場により収集していると考えられ、CCEは80%を達成している。但し、この性能が検出器全面に及んでいないことから、更に研究する必要がある。また、低温時の研究を行うため真空ポンプおよびチャンバーを購入し、開発を継続している。
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