研究課題/領域番号 |
13440071
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保野 茂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20126048)
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研究分担者 |
桜井 博儀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70251395)
下浦 享 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10170995)
寺西 高 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10323495)
梶野 敏貴 国立天文台, 理論部, 教授 (20169444)
加藤 静吾 山形大学, 理学部, 教授 (70013422)
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キーワード | 宇宙の元素合成 / 低エネルギー核反応 / 短寿命核 / 新星・超新星 / 高温ppチェーン / 星の進化 |
研究概要 |
平成13年度の本課題の研究は、主に次の3つに分類される。 (1)爆発的元素合成過程を実験的に調べる上で必要な、実験装置の開発をすすめた。特に、平成12年度に製作された低エネルギー二次ビーム生成分離器CRIBの調整とそこで使う検出器系の製作調整を行った。また実際、理研加速器施設のAVFサイクロトロンから得られる重イオンビームを使って、装置のテストや、二次ビーム生成テスト等を行い、装置を完成させた。 (2)(1)で開発されたCRIBを使った実験を行った。最初の課題として、ビッグバン元素合成後の原始巨星の進化に関する天体核反応を調べた。具体的には、高温での水素燃焼過程に関わる、未知の天体核反応11C(p, g)12Nの引き金となる陽子共鳴状態11C+pを調べ、重要な温度領域に存在する陽子共鳴状態のスピンパリティを決定した。また、兀素合成連鎖で次の天体核反応である12N(p, g)13Oの共鳴状態12N+pを調べ、新たな陽子共鳴状態を発見した。 更に、新星の元素合成に関わる反応21Na(p, g)22Mgの研究を、21Naビームを用いて、行った。これは、カナダのTRIUMF研究所と行っている共同実験であり、当研究所の二次ビームファシリティを使って行われた。500MeV陽子の厚い標的照射から21Naを生成・加速し、二次ビームを得た。反応生成核種22Mgは、反跳核分離器DRAGONで測定し、ガンマ線は、BGOで測定した。先に、われわれが間接的方法で同定した共鳴が観測され、共鳴強度が測れることが分かった。 (3)われわれのデータを含む最近の新しい核データを使った新星模型の理論的検討を行い、観測のSiやSなど重元素生成量を説明できる可能性が明らかになった。
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