研究課題/領域番号 |
13440075
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
鈴木 健 埼玉大学, 理学部, 教授 (10196842)
|
研究分担者 |
泉川 卓司 新潟大学, アイソトープ総合センター, 助手 (60282985)
大坪 隆 新潟大学, 理学部, 助手 (70262425)
吉永 尚孝 埼玉大学, 理学部, 教授 (00192427)
|
キーワード | 中性子ハロー / スキン構造 / 運動量分布 / グラウバー模型 / 配位混合 / 反応断面積 / 密度分布 |
研究概要 |
本補助金の交付によって主目的(^<17>B,^<22>N,^<23>O等のハロー構造)については権威ある国際学術雑誌に既に昨年度2報を報告している。また陽子過剰なAr同位体ではハロー構造よりも普遍的とされる陽子スキンの存在も報告した。また超中性子過剰核^<21>B(陽子数5中性子数16)探索したが、その結果^<21>Bは非束縛系である事もわかった。(既報4編). 以上を踏まえハロー構造が確立している^<11>Liでみられたような、密度分布を直接的に求める為の反応断面積(σ_R)測定結果を解析した。通常の核の反応断面積を良く再現する半経験式として知られているKoxの経験式より見積もられた値と比較すると、異常な増大が確認された。これは「^<17>Bが核の中心から遠く離れた領域にtailのような構造を有する」ことを暗示している。^<17>B+^<12>Cの破砕反応により^<15>Bフラグメントも同時に観測された。そこで2中性子剥離断面積も実験的に求めた。またFew-bodyグラウバー模型により算出された値との一致が確認され、このことは「^<17>Bは^<15>Bの周りに2つの中性子が弱く束縛されている構造を持つ」ことを示唆している。 Few-bodyグラウバーモデルの有限レンジ計算を用いた考察結果は以下の通りである。コア核(^<15>B)は調和振動子型関数を仮定し、バレンス2中性子は2s1/2軌道と1d5/2軌道それぞれの単一粒子の波動関数で表し、その混合状態をスペクトロスコピック因子を用いて仮定し、反応断面積2点のエネルギー依存性を再現するように^<17>Bの密度分布を導出した。s軌道のスペクトロクコピック因子は50+-10%となり運動量分布から求めた結果69+-20%と一致した。従って「^<17>Bのバレンス2中性子の配位は2s1/2軌道と1d5/2軌道が1:1の比率で混合している状態」であると結論づけた。
|