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2002 年度 実績報告書

非摂動くりこみ群によるカイラル対称性の破れの解析

研究課題

研究課題/領域番号 13440076
研究機関金沢大学

研究代表者

青木 健一  金沢大学, 理学部, 教授 (00150912)

研究分担者 鈴木 恒雄  金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60019502)
寺尾 治彦  金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (40192653)
キーワード非摂動 / くりこみ群 / QCD / カイラル対称性 / 自発的対称性の破れ / シミュレーション / クォーク質量 / カイラル擬縮
研究概要

非摂動くりこみ群によるカイラル対称性の破れの考察を進めた。強い相互作用(QCD)でのカイラル対称性の自発的な破れやその高温、高密度下での回復は、素粒子質量の起源という意味でも、また、ハドロン物質やクォーク・グルオンプラズマの性質という意味でも非常に重要な物質の基本構造を与えるものである。
非摂動くりこみ群では、まず、適当な有効相互作用空間を用意して、その中でのくりこみ群方程式を定式化する。くりこみ群方程式を決めるものはいわゆるβ関数であり、このβ関数をどのように準備するかが系の解析の最も重要な特徴付けとなる。
今年度は、相転移を非摂動くりこみ群で解析する際に重要となる、オーダーパラメタやその発散の解析方法を開発するために、特に非自明な量子力学系をとりあげた。いわゆる2重井戸型のポテンシャルはトンネル効果を示すが、トンネル効果自身が非摂動的な現象であり、その解析は1次元の量子系といえども容易ではない。そこで、非摂動くりこみ群によって有効ポテンシャルを求め、そこから,適当なオーダーパラメタとその感受率を評価する方法と、直接的に系のモンテカルロシミュレーションを行う方法を比べた。これまで、経路積分を半古典的に評価する方法による結果は得られていたが、非摂動くりこみ群による評価はその結果とはかなり食い違っている。モンテカルロシミュレーションによる評価は、現在解析中であるが、非摂動くりこみ群による結果を示唆していると思われる。
今年度は、昨年度に本研究経費で導入したPCクラスタのチューンナップ、数値演算ライブラリの導入なども進めた。また、このPCクラスタに直接接続するファイルサーバーを新たに導入して、シミュレーションなどの結果を保存することができるようにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Z.Aoki, A.Horikoshi, M.Taniguchi, H.Terao: "Non-Perturbative Renormalization Group Analysis in Quantum Mechanics"Progr.Theor.Phys.. 108・3. 571-590 (2002)

  • [文献書誌] H.Terao: "ERG and Schwinger-Dyson Equations -Comparison in fosmulatons and applications"Int.J.Mod.Phys. A16. 1913-1926 (2001)

  • [文献書誌] T.Kobayashi, H.Terao: "More about Kalya-Klein Regularization"Progr.Theor.Phys.. 107. 785-792 (2002)

  • [文献書誌] K.I.Aoki, A.Horikoshi: "Non-perfurbative renormalization group approach for quantum dissipative systems"Phys.Rev.A. 66. 042105-1-042105-9 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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