研究課題
高エネルギー加速器研究機構(KEK)におけるB-ファクトリーにおけるBelle実験は順調にデータの収集を行い、平成13年末までに約4千4百万のB中間子対生成事象を観測した。昨年夏にはそれまでに蓄積した約3千万のB中間子対生成事象を解析し、B中間子崩壊において、CP対称性の破れの発見に成功した。この発見は3世代のクーク間の混ざりに起因する中間子と反中間子の混じりの中に小林益川理論の正しさ、小林益川理論に基づきK中間子に現れたCP対称性の破れがB中間子の崩壊においても同じようにあらわれる事を予言した三田たちの考えの正しさを証明した。現在今回発見したCP対称性の破れの観測精度の向上、そして、小林益川行列の精密な測定を目指す。既に、ユニタリー三角形の第2の角度の測定において誤差は大きいが勇気づけられる結果が求められており、今後の観測に益々大きな期待が持てる状況になっている。CP対称性の破れや小林益川行列要素以外にも、B中間子反B中間子混合の精密測定、電弱ペンギンダイアグラム観測、グルーオンペンギンダイアグラムの測定、など様々な成果があがっている。
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