研究課題
現在、高エネルギー加速器研究機構においてはB-ファクトリー加速器、KEB、とBelle実験装置が順調に稼動し、このタイプの電子・陽電子ビーム衝突型加速器としては世界最高の性能を実現している。これに伴い、Belle実験はこれまでに最大のB中間子崩壊のデータ(平成15年3月末までに約1億3千万事象)を収集した。現在、このデータの解析を精力的に行い、多くの学術論文として発表してきた。特に、2001年度のB中間子崩壊におけるCP対称性の発見に続いて、2002年度にはB中間子が2個のパイ中間子に崩壊する反応で大きなCP対称性の破れを観測した。この現象は、小林・益川理論による予測と合致し、この理論の正当性をますます深める結果となっている。現在、観測事象数を増やしてより制度の高い観測を目指している。今後は、豊富なB中間子崩壊事象の解析を通して、小林・益川行列要素の測定を目指す。
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