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2002 年度 実績報告書

共鳴励起による軌道選別表面電子状態分布の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13440099
研究機関九州工業大学

研究代表者

西谷 龍介  九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50167566)

研究分担者 粕谷 厚生  東北大学, 学際科学研究センター, 教授 (10005986)
キーワード走査型トンネル顕微鏡 / 局所状態密度 / トンネル分光 / トンネル発光 / アルカンチオール / 有機薄膜 / スペクトル分解発光像
研究概要

1.共鳴励起型STM装置の製作
前年度に引き続き共鳴励起した状態でのSTM測定およびSTMによるトンネル発光スペクトル空間マッピング測定が可能な低温型光学顕微分光トンネル顕微鏡を設計製作を行った。STM装置の測定精度を高めるために制御装置を新しいものに変更し、それに対応して、制御装置のSTM探針アプローチ駆動電源の製作も行った。また、トンネル発光を集光するための、集光光学系の大気部分の製作も行った。また、試料作成装置の製作も行い、真空蒸着および電子ビーム加熱も可能にした。
2.有機分子薄膜のトンネル発光スペクトル空間分布測定
共鳴励起状態の局所状態分布を測定するための基礎研究として、前年度に引き続き金(111)表面上の有機分子(アルカンチオール)薄膜の共鳴励起状態を明らかにするために、STMによるトンネル発光スペクトルを測定した。前年度は、チオール基一個をもつデカンチオールの測定を行ったが、今年度は、チオール基を二個有するオクタンジチオール薄膜のトンネル発光測定を行った。デカンチオール薄膜のトンネル発光においては、吸着によるスペクトル変化は観測されなかったが、オクタンジチオールの場合、740nm付近で、吸着によるスペクトル変化が観測された。これは、吸着による電子状態密度変化が、フェルミ・レベルの上約0.4eV付近に生じていることを示唆している。
3.C_<60>の分子軌道状態の研究
C_<60>の共鳴励起STM測定のための基礎として、Si(111)表面にC_<60>が吸着することによる、C_<60>のLUMO状態の変化を測定した。LUMO状態の強度、エネルギーシフトが観測された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ryusuke Nishitani: "A Study of Alkanethiol Film on Au by STM-induced Luminescence"Surface Review and Letters. (in press). (2003)

  • [文献書誌] R.Czajka: "STM and STS Investigations of Transition Metals' Clusters(CR, CoCr, Ni) Produced by the Plasma Gas Condensation"Colloides and Surfaces A. 202. 196-205 (2002)

  • [文献書誌] D.Kondo: "Unoccupied Molecular Orbitals of C60 Molecules Adsorbed on Si)001)-(2X1) and Si(111)(1X1) Surfaces Studied by NEXAFS"Surface Science. 514. 337-342 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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