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2002 年度 実績報告書

有機・無機複合型物質におけるエネルギー移動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13440100
研究機関上智大学

研究代表者

江馬 一弘  上智大学, 理工学部, 教授 (40194021)

研究分担者 江良 正直  佐賀大学, 理工学部, 助教授 (30191927)
欅田 英之  上智大学, 理工学部, 助手 (50296886)
キーワード励起子 / 有機・無機複合型物質 / エネルギー移動 / 量子井戸物質 / デクスター機構
研究概要

近年、有機物と無機物を混合した有機・無機複合型物質が得られるようになり、有機物、無機物が独立に存在する場合には見られない特異な物性に注目して研究が行われている。無機半導体のワニエ励起子に対して、有機物質ではフレンケル励起子を形成し、特定の条件の下ではワニエ励起子からフレンケル励起子へのエネルギー移動が起こる。本研究では、このエネルギー移動に注目し、有機・無機複合型量子井戸物質におけるワニエ励起子からフレンケル励起子へのエネルギー移動のメカニズムを解明し、効率良いエネルギー移動を実現する物質を構築することを目的とした。
具体的には、以下の項目を行った。
1.有機バリア層の中にフレンケル励起子を形成する様々な分子を導入:フレンケル励起子を有する有機物質をバリア層とする量子井戸構造は、有機アミンバリア層とハロゲン化鉛無機層からなる量子井戸構造を基本とし、有機層に発色性分子を有する有機アミンを導入することで作成した。
2.無機層のワニエ励起子からフレンケル励起子へのエネルギー移動を確認:作成された試料について、エネルギー移動を確認した。エネルギー移動量の測定では、無機物質からの発光と有機物質からの発光をそれぞれ時間積分して、その比をとる。また、エネルギー移動速度の測定には無機物質からの発光の時間分解信号を測定した。
3.エネルギー移動のメカニズムを解明した:メカニズムの解明には、ワニエ励起子と発色性分子との距離Rを制御した物質群を用いて、エネルギー移動量のR依存性を測定し、移動メカニズムが電子交換相互作用によるデクスター機構であることが判明した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Kobayashi: "Photoluminescence from the even-parity state in polythiophene derivative"J.Phys.Soc.Jpn.. 70. 2517-2520 (2001)

  • [文献書誌] J.Ishi: "Influence of exciton-exciton interactions on frequency-mixing signals in a table exciton-biexciton system"Phys.Rev.B. 63. 073303 (2001)

  • [文献書誌] K.Ema: "All-optical serial-to-parallel conversion of Tbits/s signals using a four-wave-mixing process"Optical and Quantum Electronics. 33. 1077-1087 (2001)

  • [文献書誌] 江馬一弘: "有機・無機複合型物質の励起子"パリティ. 16. 12-18 (2001)

  • [文献書誌] K.Tanaka: "Two-dimensional Wannier excitons in a layered-perovskite-type crystal (C_6H_<13>NH_3)_2PbI_4"Solid State Commun. 122. 249-252 (2002)

  • [文献書誌] 江馬一弘: "無機有機複合型量子井戸構造の励起子"日本物理学会誌. 58. 20-28 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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