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2001 年度 実績報告書

新物質合成・FETデバイス構造によるフラーレン化合物の電子相制御

研究課題

研究課題/領域番号 13440110
研究機関東北大学

研究代表者

岩佐 義宏  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20184864)

研究分担者 和泉 亮  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (30223043)
キーワード電界効果トランジスタ / 分子回転 / フラーレン / ドーピング / 誘電異常 / MBE
研究概要

本年度、研究代表者の拠点が北陸先端大から東北大に移動し、主に試料合成設備、デバイス作製装置の立ち上げを行った。一方で、外部との共同研究によって、フラーレン固体の物性に関するフラーレン化合物の構造電子物性の測定とデバイス構造の作製技術の開発を行った。
1)フラーレン薄膜を用いた電界効果トランジスタデバイスの作製を行った。高ドープシリコン基板上に熱酸化シリコン膜とし、その上にフラーレンC60薄膜を分子線エピタキシー法(MBE)によって、ボトムゲート型薄膜トランジスタを作製し、易動度0.08cm^2/Vsの値を得た。さらに、C70でもFET作製に成功し、易動度9x10^3cm^2/Vsを得た。両デバイスとも温度の低下とともに易動度は減少し、膜質の向上が不可欠であることを示唆している。
2)フラーレンの希土類金属インターカレーション化合物の探索を行った。その中で特に安定な相としてSm3C70を見出し、その電子密度レベルにいたる精密構造を明らかにした。それによると、2つのC70分子がSmによって架橋された二重体構造を持つことが明らかになった。しかも、この二重体構造は、従来のフラーレンが直接結合したものに比べ極めて安定で、850Kまでその構造を保つことを明らかにした。
3)金属内包フラーレンLa@C82の薄膜を作製し、その誘電率をはじめて測定した。La@C82の誘電率は約40であり、C60の4.4より一桁程度大きいことを明らかにした。これは分子固有の電気双極子が、分子回転に伴って交流電場に応答できるという、金属内包フラーレン分子特有の現象である。しかも、405Kには誘電率のピークを伴う相転移現象が発見された。熱物性測定の結果から、この相転移は分子の回転の凍結を伴った1次相転移であることも明らかにされた。このように、金属内包フラーレン結晶では、分子回転の自由度による誘導的な機能を有していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Prassides et al.: "Compressibility of the MgB_2 Superconductor"Phys. Rev.. B64. 0125091-0125094 (2001)

  • [文献書誌] C.J.Nuttall et al.: "Bistability effects in solvent-including metallofullerene crystals"Synth. Metals. 121. 1175-1176 (2001)

  • [文献書誌] S.Margadonna et al.: "Pressure evolution of the structure of (NH_3)K_3C_<60>"Europhys. Lett.. 56. 61-66 (2001)

  • [文献書誌] S.Margadonna et al.: "Orientational ordering of C_<60> in the antiferromagnetic (NH_3)K_3C_<60> phase"Phys. Rev.. B64. 1324141-1324144 (2001)

  • [文献書誌] H.Kitano et al.: "Evidence for insulating Behaviorin the electric conduction of (NH_3)K_3C_<60> systems"Phys. Rev. Lett.. 88. 0964011-0964014 (2002)

  • [文献書誌] C.J.Nuttall et al.: "Dipole Dynamics in the Endohedral Metallofullerene La@C_<82>"Advanced Materials. 14. 296-296 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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