研究課題/領域番号 |
13440121
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90166736)
|
研究分担者 |
余田 成男 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30167027)
林 祥介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20180979)
石岡 圭一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90292804)
|
キーワード | 回転流体 / 地球流体 / barotroic流 / 回転球面 / Rosbby波 / 西岸強化流 / 周極流 / ベータ効果 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、回転球面上の2次元乱流の数値実験を行い、また回転系における乱れた流れの性質などを調べた。回転球面系の流れ領域は、球面上において円形の剛体境界をもつ領域とし、自由減衰乱流の場合、および、東西方向の強制風が存在する場合について、流れ領域を平面上の円盤領域に写像した後、チェビシェフ多項式と三角関数による擬スペクトル法を用いて数値計算を実行した。我々はこれまで、流れ領域が南半球の自由乱流の場合には、初期条件が典型的な乱流場の場合、時間発展とともに南極を中心とする西風周極流が出現することを見出した。このとき初期場は、剛体境界と両立するよう乱数と窓関数を用いて作成していたが、ここでは、この窓関数の形状をさまざまに変えた場合にもやはり西風周極流が出現することを見出し、西風周極流がロバストな現象であることを確認した。一方、流れ領域が子午線を剛体境界とする自由減衰流の場合(縦半球)については、これまでに、東から西に進行する波動解を数値的に見出していたが、さらに、東西強制風が存在する場合について数値実験を行い、時間発展とともに、流れ場が一定のパターンに落ち着くことを見出した。このパターンは、ベータ面上のStommelの西岸強化流に対応するもので、流れ領域の西端の狭い南北流と、それ以外の領域の反流から成っている。強制風の増加につれて、この流れには離岸領域に流れ関数の褶曲が現れ、また、定常解から振動解への遷移が発生することを見出した。この遷移をもたらす分岐について、現在、数値実験とデータ解析を続行している。
|