研究分担者 |
薩摩 順吉 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70093242)
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
余田 成男 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30167027)
林 祥介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20180979)
石岡 圭一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90292804)
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研究概要 |
昨年度に引き続き,回転球面上の2次元乱流の性質を調べ,特に,流れ領域が球面全体ではなく境界が円形の部分領域の場合について,東西強制風が存在する流れの大規模数値実験を行った.この流れは,回転方向を地球と同じ向きにとったとき,線形領域では「海洋」の西岸で強い北向きの流れとなることがベータ面上の線形理論から知られている.ここでは,回転球面上で子午線を境界とする半球領域(「縦半球」)において東西強制風の強さをパラメータとし,このパラメータを次第に増加させて非線形効果を増大させて流れの分岐を調べた.その結果,東西風が弱い場合は流れは定常的な西岸強化流となるが,十分に強い東西風の場合,解は時間的に振動することが見出された.さらにパラメータを細かく動かして振動振幅とパラメータの関係を調べたところ,振動が発生する分岐点の近傍で,振幅の2乗と分岐点から計った分岐パラメータの間に線形関係があることを見出した.これは振動の発生がHopf分岐であることを示唆している.またこの振動は,西岸強化流が離岸して東向きに流れた直後の北側で最大の振幅を持っており,振動の位相はこの最大振幅点に向けて位相が概ね南東から北西に進行している.これは東西方向に関して西向きである点ではロスビー波の性格と一致しているが,詳細な解析は続行中である.また最大振幅点がどのように特徴づけられるのかはまだ明らかではなく,これについても引き続き解析を行っている.
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