研究課題/領域番号 |
13440136
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浅野 正二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00089781)
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研究分担者 |
岡本 創 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10333783)
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キーワード | 氷晶雲 / リモートセンシング / 雲物理特性 / 放射特性 / 非球形粒子光散乱 / 95GHz雲レーダ / 分光日射計 |
研究概要 |
本研究は、能動型リモートセンシングと受動型リモートセンシングを組み合わせた地上からの集中観測により氷晶雲の雲物理特性と放射特性との関係を解明して、氷晶雲の放射エネルギー収支に及ぼす効果を定量化することを目的とする。あわせて、雲レーダーやライダー等の能動型センサーによる氷晶雲の観測方を開発し、将来計画されている能動型センサーを搭載した人工衛星による雲観測の有効性の検証に寄与する。 今年度は観測のための環境整備、および観測データを用いた氷晶雲のリモートセンシング解析と放射伝達計算のための各種のアルゴリズム開発に力を注いだ。浅野は、受動型リモートセンシングにおいて要の測器となる分光放射計を整備し、その器械定数決定のための検定観測を、2002年1月〜2月につくば(気象研究所)において実施した。また、いろいろな形状の氷晶を含む氷雲における太陽放射の全波長にわたる放射伝達特性を計算するスキームを開発した。この放射スキームを用いて、水粒子と氷粒子の両方を含む混合層雲の放射特性のシミュレーションを行い、実測値を適正に再現できることを確認した。 岡本は、95GHz雲レーダの反射因子に対する氷粒子の形状の影響を、DDA(discrete dipole approx.)散乱計算法を用いて調べ、氷晶のサイズが200μmを超えると形状効果が大きくなり、レーダ反射因子に最大で1桁の違いを生じ得ることを明らかにした。また、水平面上でランダムに分布する角板状氷晶の場合、同質量の球形粒子に比べて、可視光ライダーの後方散乱強度が1桁以上大きくなることをモデル計算により示した。さらに、雲レーダとライダーによる複合観測データから氷晶雲の微物理特性を導出するアルゴリズムを開発し、既存の観測データに適用して性能を調べた。
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