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2001 年度 実績報告書

惑星オービターからの大気観測に用いられる赤外撮像素子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13440142
研究機関東京大学

研究代表者

中村 正人  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20227937)

研究分担者 今村 剛  宇宙科学研究所, 惑星研究系, 助手 (40311170)
杉田 精司  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80313203)
岩上 直幹  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30143374)
キーワード金星 / 気象 / イメージング / 赤外線 / ショットキーバリヤ
研究概要

本年度は金星オービターに搭載される予定となった赤外カメラ2台の赤外検出素子の選定を行った。その結果、1μ帯で撮影を行うカメラには国産の赤外シリコンCCD、また2μ帯で撮影を行うカメラにはショットキーバリヤーを利用したPtSi素子を使う事が適当であるとの判断をした。いずれの素子も1040×1040の画素を持ち、全撮像領域を4つに分割して、撮像領域の四隅から信号を個別に取り出す事が出来る。この二つの素子の良い点は以下の通りである。
1)1μ帯に用いる赤外CCDは通常のCCDと比較すると可視領域での感度が無く、赤外領域に最適化されている。これにより可視領域からの光の混入を避けられる。また、通常のCCDに較べてフルウェルが1桁高い(10^6)。この為、金星の昼面と夜間面を同時に撮影したときに、昼面からの光が夜面に混入することが避けられる。
2)いづれの素子も均質性に優れる。これはモノリシックな製造工程によるもので、画素間の感度のばらつきが小さい。また、熱サイクルをかけても劣化が少ない。これは例えば水銀ーカドミウムーテルル(MCT)素子のようにCCDとMCT間をインジウムバンプで接合してあるような量子型素子で熱サイクルによるバンプの剥離が頻繁に起こることを考えると大きな利点となり、量子型素子の量子効率の高さを勘案しても現在選定した素子に利がある。
これらに対し、取り扱い上注意を要する点として、PtSi素子は60Kに冷却して用いる必要がある事が挙げられる。素子温度が10K上がると熱雑音が3桁増加するため70K以上では使用できない。また逆に55K以下では電荷転送がうまく行えない。この為安定した冷凍機を用いて素子を60Kに保つ必要がある。この可能性を調べるため、本年度は熱真空チェンバーを本研究費により製作した。来年度試験を行う。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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