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2002 年度 実績報告書

Rietveld法を用いた高温高圧下でのマントル鉱物の結晶構造精密化

研究課題

研究課題/領域番号 13440162
研究機関大阪大学

研究代表者

永井 隆哉  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20243131)

キーワードレーザーアニーリング / 高温高圧 / マントル鉱物 / 結晶構造精密化 / Rietveld法 / ダイヤモンドアンビルセル
研究概要

高圧下で得られた粉末X線回折図形から、いくつかの物質についての圧縮挙動を原子レベルで記述した。KHCO_3は約2.8GPaで構造相転移を起こす。相転移に至るまでの圧力では、水素結合を挟む酸素-酸素間距離の著しい短縮が圧縮メカニズムである。NaHCO_3の圧縮で特筆すべきは、水素結合を挟む酸素-酸素間距離が9GPaでは約2.4Åまで短縮していることで、水素結合の対称化が起こる可能性がある。データイトでは、水素結合が存在するボイドスペースの圧縮が主な圧縮機構である。さらに、鉄-酸素間距離の圧縮挙動から、水素結合が強まっている可能性を指摘した。
NiTiO_3イルメナイトに関しては、PFで、レーザーによるアニーリングを行いながら圧力下での回折線を収集することによって、半値幅の狭い、質の高い回折線を圧媒体固化後の圧力下でも収集できた。データをRietveld解析した結果、Ni-Ti距離は、圧力増加に伴い予想以上に短縮することが明らかになった。
PF、Spring8においてレーザー加熱実験を行い、MgCO_3と鉄は40GPa,2000℃と40GPa,1000℃のいずれの条件でも、反応を示唆する結果は得られず、この反応は、少なくとも下部マントル上部までは起こらない。またCaSiO_3ペロフスカイトを試料とした実験では、圧力20GPa、温度1500-1600Kでの回折パターンを得たが、低圧相が完全に相転移しなかいなどDAC内の試料構成に改善の余地があるが、CaSiO_3ペロフスカイトの回折線そのものは比較的スムースであり、超高温高圧下でのRietveld解析に耐えうる質の回折線が収集できる可能性が示唆される。
外熱式DACに油圧制御機構を組み込み、CaOの精度の高い状態方程式を得、CaSiO_3ペロフスカイトが下部マントル最下部の温度圧力条件で分解する可能性を議論した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takaya Nagai: "The first observation of a pressure-induced phase transition and compression behavior of kalicinite (KHCO3) at room temperature"Solid State Communications. 123. 371-374 (2002)

  • [文献書誌] Takamitsu Yamanaka: "B1-B2 transition in CaO and possibility of CaSiO3-perovskite decomposition under pressure"Journal of Mineralogical and Petrological Sciences. 97. 144-152 (2002)

  • [文献書誌] Yonjae Lee: "Phase transition of zeolite RHO at high pressure"Journal of American Chemical Society. 123. 8418-8419 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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