研究課題/領域番号 |
13440164
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
桂 智男 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (40260666)
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研究分担者 |
山下 茂 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (30260665)
米田 明 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (10262841)
伊藤 英司 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (00033259)
浦川 啓 岡山大学, 理学部, 助教授 (30201958)
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キーワード | 高圧高温発生装置 / イルメナイト / 活性化エネルギー / 活性化体積 / ペロフスカイト / 下部マントル / 電気伝導度 |
研究概要 |
KAWAI型超高圧高温発生装置を用いて、下部マントル中部に相当する圧力条件で鉱物の電気伝導度を測定する手法の開発を行った。圧力発生に14mm角の焼結ダイヤモンドアンビルを用いて、測定圧力上限を23GPaから40GPaに引き上げた。また、レニウムのシート状ヒーターを用いて、熱電対とヒーターとの間に十分な電気絶縁を保ちながら、1500Kの高温発生を可能にした。試料をヒーターと熱電対に接続することにより、ヒーターと熱電対を電力として試料の電気伝導度を可能にした。 (Mg_<0.93>Fe_<0.07>)SiO_3組成のイルメナイトの電気伝導度を、温度範囲300-1200K・圧力25・35・40GPaで測定した。その結果、(Mg_<0.93>Fe_<0.07>)SiO_3イルメナイトの活性化エネルギーは0.69±0,04eVであり、温度無限大での電気伝導度をあらわす指数前係数は3×10S/mであることがわかった。活性化体積は非常に大きく-0.86±0.10cm^3であることが明らかになった。 続いて、(Mg_<0.93>Fe_<0.07>)SiO_3組成のペロフスカイトの電気伝導度を、温度範囲300-1400K・圧力35と40GPaで測定した。その結果、(Mg_<0.93>Fe_<0.07>)SiO_3イルメナイトの活性化エネルギーは0,39GPa±0.02eVであり、温度無限大での電気伝導度をあらわす指数前係数は1×10S/mであることがわかった。活性化体積は、イルメナイトと異なり非常に小さく、-0.06±O.10cm^3であることが明らかになった。 下部マントルの電気伝導度は最上部から最下部にかけて1桁上昇するという観測があるが、このような電気伝導度の変化は、断熱的な温度勾配では説明できない。
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