当初の計画のうち、SMILES関連プロジェクト、BrO、HO2ラジカルの圧力幅の測定はBrOについては測定が終了し、協力研究しているJPLグループ(Drouin、Cohen)と共同で論文として投稿し受理された(Journal of Quantitative Spectroscopy and Radiation Transfer)。HO2については温度依存性がまだ十分に決定されていない。来年度の継続課題である。超音速ジェットサブミリ波分光装置はほぼ完成し、サブミリ波帯で幾つかのvan der Waals錯体およびフリーラジカルのスペクトルを観測したが、感度が十分でない。その原因を検討した結果、ガウシアンビーム伝送系の損失が大きいことが判明し、新たなビーム伝送系を設計し製作に取り掛かった。半導体CVD反応装置のクリーニングプロセスに関連して、C_2F_6、NF_3、F_2CO等の放電プラズマ中での反応中間体の検出・同定を試み、F_2COがあらたなクリーニングガスとして有望であることを分子レベルで解明した。関連して進めた、FCOラジカルのサブミリ波分光の結果は、Journal of Molecular Spectroscopyに投稿した。Waterloo大学との共同研究の一環として実施している、C_2のSwan systemの研究の内、レーザー分光の結果はJournal of Molecular spectroscopyに発表した。懸案のもう一台のミクサーの製作は、NASDA博士研究員(羽原秀太)をケルン大学に派遣し、製作が完了した。
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