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2001 年度 実績報告書

半球型有機金属分子のデザインと精密有機合成化学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13440215
研究機関京都大学

研究代表者

丸岡 啓二  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20135304)

研究分担者 大井 貴史  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80271708)
キーワードトリアルキルシリル / カルボン酸 / 半球型分子 / 有機ケイ素 / アルキルリチウム
研究概要

有機合成化学では官能基への選択偉を向上させる場合、もっとも頻繁に使われる手法は嵩高い置換基を導入することであろう。例えば、トリアルキルシリル基はアルコールやフェノール、カルボン酸、アミン等の保護基として汎用されている。この際、嵩高いアルキル基を導入することによって得られた嵩高いトリアルキルシリル基は、選択的な保護基として有用である。トリメチルシリル基に較べ、t-ブチルジメチルシリル基やトリイソプロピルシリル基、更にはt-ブチルジフェニルシリル基は立体的にすいている官能基を選択的に保護することが可能である。しかし、こういった立体効果に基づく手法はおのずと限界があり、特に嵩高いアルキル基をケイ素上に段々導入し難くなる欠点がある。そこで、半球型の分子を構築することにより、遠隔での立体的な嵩高さによる制御を行なうことによって、形式的な嵩高さを獲得するというアプローチを採用し、更なる選択性の達成を目指した。すなわち、半球型有機ケイ素基の創製と効率的な保護基としての活用として、トリス(2,6-ジフェニルベンジル)シリル化合物の簡便な合成法を確立し、これをカルボン酸と反応させ、トリス(2,6-ジフェニルベンジル)シリルカルボキシラートを調製した。そして、そのX線解析やNMR測定などを行ない、芳香環によって形づくられた半球形の遮蔽および安定化効果を調べた。また、この半球型のシリルカルボキシラートを用いて、実際の求核試薬(アルキルリチウムやアミド塩基)に対する反応性を検討し、従来の単なるシリルカルボキシラートに較べ、半球型による顕著な遮蔽効果が見られた。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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