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2002 年度 実績報告書

伊豆諸島三宅島の火山噴火による陸上生態系への影響と噴火後の回復過程

研究課題

研究課題/領域番号 13440229
研究機関東京大学

研究代表者

樋口 広芳  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10111486)

研究分担者 長谷川 雅美  東邦大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40250162)
加藤 和弘  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60242161)
恒川 篤史  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60227452)
上條 隆志  筑波大学, 農林学系, 講師 (10301079)
キーワード三宅島 / 火山 / 噴火 / 胴吹き / 種数
研究概要

本年度は、火山活動による危険がなお強く残る山頂周辺を除く島の広い範囲において、植生と鳥類、土壌動物等の調査を行った。また、固定調査区を利用した植生被害の経時変化の調査等も継続して実施した。さらに、リモートセンシングデータと植生ならびに鳥類の分布状況との対応関係を解析し、リモートセンシングデータによる生態系被害の広域的な把握のための基礎資料を得た。
植生の広域調査は、植物社会学的手法に基づき島内60カ所で行った。類型化された群落タイプは概ね被害の程度と対応していた。植生回復と鳥類群集の関係を島内の林道7本に沿って調査したところ、樹木植被率と鳥類の種数あるいは個体密度の間に概ね一定の正の相関が見られた。回帰直線の傾きは時期によらずほぼ一定だったが、広い範囲でイイジマムシクイが群集に加入した分、Y切片は繁殖期でより大きかった。土壌動物については、9カ所で落とし穴トラップによる調査を行い、結果を解析中である。
植生被害の経時変化について、村道雄山線および林道南戸線沿いの11調査区について調査結果の集計と解析を行った。これらの地点では被害は拡大傾向にあり、火山ガスの影響と考えられた。リターフォール量を調査した7調査区では、被害が大きいほど落葉および虫糞の量が少なく、落枝や樹皮の量はその逆の傾向を示し、被害地における生物生産と樹木枯死の変化を反映する結果となった。
リモートセンシングデータから計算される植生指数と、林道沿いの鳥類調査区域で得た樹木植被率の関係を区分線形回帰により解析したところ、相関係数は0.88〜0.97と高い値を示した。鳥類の出現種数や個体密度についても、植生指数との相関は0.81〜0.88と高く、リモートセンシングデータから島の森林における鳥類群集の種多様性や個体密度が、相当程度推定できる可能性があることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 加藤和弘, 樋口広芳: "三宅島2000年噴火後の島の森林における鳥類群集"Strix. Vol.20. (2002)

  • [文献書誌] 橋本啓史, 上條隆志, 樋口広芳: "伊豆諸島三宅島におけるヤマガラParus variusによるエゴノキStyrax japonicaの種子の利用と種子散布"日本鳥学会誌. 51(2). 101-107 (2002)

  • [文献書誌] Tojo, H, Nakamura, S., Higuchi, H.: "Gape patches in Oriental Cuckoo Cuculus saturatus nestlings"Ornithological Science. 1(2). 145-149 (2002)

  • [文献書誌] 加藤和弘, 樋口広芳: "三宅島2000年大噴火の鳥類への影響"遺伝. 56(5). 31-36 (2002)

  • [文献書誌] 上條隆志, 嶋田和則: "三宅島2000年噴火後のコキクガシラコウモリの観察記録"東洋蝙蝠研究所紀要. 2. 21 (2002)

  • [文献書誌] 上條隆志: "三宅島2000年噴火後の植生への影響"遺伝. 56(5). 27-30 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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