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2001 年度 実績報告書

警告色の擬態進化の総合的解明に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 13440230
研究機関京都大学

研究代表者

大崎 直太  京都大学, 農学研究科, 助教授 (70127059)

研究分担者 西田 隆義  京都大学, 農学研究科, 助手 (60208189)
キーワード警告色 / ベーツ型擬態 / ミュラー型擬態 / カロチノイド / シロオビアゲハ / ホシカメムシ
研究概要

警告色の擬態進化を総合的に解明するために、大崎はおもにベーツ型擬態を、西田はミュラー型擬態を研究した。大崎はシロオビアゲハにみられるメスの擬態型と非擬態型の生態特性について主に調べた。その結果、通説とは異なり、擬態型は生存率が低く、強い捕食圧がない状態では存続できないことがわかった。しかし擬態型の低い生存率は捕食回避の点で有利であることによって補償されており、生理的には高いカロチノイド含有量によって実現されていることが示唆された。カロチノイドは抗酸化物質として生理的に重要であるとされ、擬態型は生理を犠牲にして捕食圧を下げているものと考えられた。西田はホシカメムシ科に属する、アカホシカメムシ類とその捕食擬態者であるベニホシカメムシの生態特性を調べ、ベニホシカメムシがアカホシカメムシ類の生息するハビタットにおいてのみ生息していることを明らかにした。ベニホシカメムシは被食者の密度がかなり高くないと個体群を維持できないため、その生息場所は被食者密度が高い特定のハビタットに限られていた。さらに、両種の生息場所の色彩環境と体色との関係を分光色彩色差計を用いて調べたところ、両種ともに警告色とされているにもかかわらず、捕食者であるベニホシカメムシのほうが被食者であるアカホシカメムシにくらべはるかに目立つことが明らかとなった。このことは、捕食者に対して被食者が擬態している可能性をはじめて示唆し、従来知られていない捕食回避のための擬態が存在することを示唆した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ohsaki, N.: "Introduction : plant-herbivore interactions"Population Ecology. 43. 1-2 (2001)

  • [文献書誌] Nishida, T., Nakamura, K.Woro, A.: "Population dynamics of an isolated population of the tropical pyrrhocorid bug, Melamphaus faber, feeding on seeds of Hydnocarpus trees and the specialist predator, Raxa nishidai in Bogor, West Java, Indonesia"Tropics. 10. 449-461 (2001)

  • [文献書誌] Nishida T.: "Ecological implications of flower-pollinator interactions in tropical rain forest ecosystems"Populaiton Ecology. 43. 51 (2001)

  • [文献書誌] Oku, S., T.: "Presence of single-sex broods under local mate competition in the trap-nesting wasp Trypoxylon malaisei-adaptation or mal-adaptation?"Annals of the Entomological Society of America. 94. 550-554 (2001)

  • [文献書誌] Matsuura, K., E.Kuno, T.Nishida: "Homosexual tandem running as selfish herd in Reticulitermes speratus : novel antipredatory behavior in termites"Journal of Theoretical Biology. 214. 63-70 (2002)

  • [文献書誌] Matsuura, K, T.Nishida: "Comparison of colony foundation success between sexual pairs and female asexual units in the termite, Reticulitermes speratus"Population Ecology. 43. 119-124 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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