研究課題/領域番号 |
13440243
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島崎 研一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00124347)
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研究分担者 |
木下 俊則 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50271101)
土井 道生 九州大学, 大学教育センター, 助手 (00167537)
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キーワード | 気孔 / プロトンポンプ / 孔辺細胞 / 14-3-3蛋白質 / リン酸化 / 脱リン酸化 |
研究概要 |
高等植物の気孔は青色光に反応して開口する。この気孔開口は青色光によるプロトンポンプがそのC-末をリン酸化されるためで有ることが明らかになっている。さらに、そのリン酸化部位にいわゆる14-3-3蛋白質が結合することがあきらかになっている。 しかし、このC-末の正確なリン酸化部位、14-3-3蛋白質の結合の意味、さらに、このC-末をリン酸化するプロテインキナーゼ、脱リン酸化するプロテインフォスファターゼの実体は不明である。本年度は、これらリン酸化、脱リン酸化に関わる問題の中で以下の点を明らかにした。 1)リン酸化部位の決定 C-末のスレオニンがリン酸化されることがすでに分かっているが、その正確な部位は不明である。しかし、その部位に14-3-3蛋白質が結合する事が推定される。そこで、あらかじめC-末領域のスレオニンをリン酸化したホスホペプチドを合成し、14-3-3の酵素C-末への結合と競合させた。その結果、C-末950番目のスレオニンがリン酸化されたホスホペプチドのみが14-3-3の結合を阻害した。この結果は、この950番目のスレオニンがリン酸化部位である事を示している。 2)14-3-3の結合の意味。 上記の研究から14-3-3の結合部位(リン酸化部位)が明らかになったが、それではこの結合の意味は何であろうか。われわれは、この事を直接解明する目的で、リン酸化部位に結合した14-3-3蛋白質を競合実験により解離させ、そのときのプロトンポンプのリン酸化状態とATP加水分解活性を測定した。その結果、リン酸化状態はほとんど維持されているにもかかわらず、14-3-3蛋白質が解離するとポンプ活性は強く阻害された。この結果は、ポンプが活性化されるには14-3-3タンパク質の結合が必須であることを示している。
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