研究分担者 |
宇都 浩三 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, グループ長
兵頭 政幸 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 教授 (60183919)
熊井 久雄 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (40020680)
近藤 恵 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助手 (40302997)
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研究概要 |
本研究の目的は,インドネシアの原人化石に関する年代観を再検討し,ジャワ原人変遷史の年代的枠組の再構築を進めていくことである。この目的に即して,以下の研究調査を実施した。 1.中部・東部ジャワ島の古人類遺跡(サンギラン,サンブンマチャン,モジョケルト)において現地野外調査を行い,地質層序的位置の確認を行いつつ,年代分析用の堆積物試料を多数採集した。 2.凝灰岩試料については,テフラ分析を行うとともに,アルゴン40/アルゴン39法およびフィッション・トラック法を用いた年代分析を実施した結果,いくつかの層準においては放射年代測定用試料としての適正が確認されたが,全般的に,火山性二次堆積物の影響に関する考察を,従来以上に慎重に行う必要のあることが示唆された。 3.フィッション・トラック法に関しては,年代を測定する過程における技術的な問題の解決のため,特殊なポリカーボネイト(DAP)を外部検出器として用いた場合の較正作業と国際的な公表手続を行った。 4.ジャワの古人類遺跡に関する古地磁気分析を進めた結果,サンギラン地域に関しては従来の結果を補足・補間するデータが,モジョケルトに関しては従来の結果を支持するデータが補充された。また,サンブンマチャンについても予備的な測定結果が得られた。 5.いくつかのジャワ原人化石について,骨を構成する主要成分および少量・微量成分元素の多元素分析を行い,関連する一連の動物化石の分析値とのデータ比較から,それらの化石の本来の出土層準に関する考察を進めた。
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