研究課題/領域番号 |
13450004
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
滝田 宏樹 筑波大学, 物質工学系, 教授 (00011213)
|
研究分担者 |
高増 正 物質・材料研究機構, ナノテクノロジー研究所, 主任研究官
黒田 眞司 筑波大学, 物質工学系, 講師 (40221949)
|
キーワード | 自己組織化ドット / 格子不整合 / マイグレーション / フォトルミネッセンス / 0次元励起子 |
研究概要 |
我々のこれまでの研究で、ZnTe(100)面上にMBEによりCdTeおよびCd_<1-x>Mn_xTeを成長させ、格子歪みによる自己組織化ドットの作成を行ってきた。本年度の研究では、1.下地層を混晶にすることにより格子不整合割合を変化させる、2.下地層の面方位を変化させる、の2点を試み、ドット形成の様子を調べた。 1.Zn_<1-y>Cd_yTe(100)面上のCdTeおよびCd_<1-x>Mn_xTe自己組織化ドット Zn_<1-y>Cd_yTeとCdTeとの格子不整合割合は6.2(1-y)%の割合でCd組成yと共に減少する。実際にZn_<1-y>Cd_yTe上にCdTeおよびCd_<1-x>Mn_xTeを成長させて、自己組織化ドット形成の形態、光物性を調べた。ドット層の積層量は3.5原子層(ML)とした。CdTeドットの場合には、ドット密度は下地層のCd組成yと共に単調に減少しまたサイズは増加した。それに反してCd_<1-x>Mn_xTeドット(x〜0.06)の場合には、ドット密度はy<0.17の範囲ではあまり変化せず、またサイズの増加も僅かであった。このようにCdTeとCd_<1-x>Mn_xTeドットで差異が生じた原因は、下地層表面の成長層におけるCd原子とMn原子のマイグレーションの違いによるものと考えられる。またフォトルミネッセンス測定によりドットに束縛された0次元励起子による発光を観測し、その発光エネルギーはCd組成yと共に減少することを見出した。 2.ZnTe(111)面上のCdTe自己組織化ドット ドット形成の面方位による違いを見るため、ZnTe(111)面上にCdTeドットを成長させた。(100)面上の場合と同じく、Stranski-Krastonow的な成長モードによりドットが形成されることが分かった。臨界膜厚は2ML程度で、3.5ML積層させたとき、高密度(〜8×10^<10>cm^<-2>)のドットの形成が確認された。ドットのサイズは直径30nm,高さ1.2nmとなり、(100)面上でのドットと比較する直径がやや大きく高さの低いドットが形成された。
|