研究課題/領域番号 |
13450025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戒能 俊邦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (00281709)
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研究分担者 |
岡本 悦哉 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50312682)
小松 京嗣 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90261502)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 接合構造 / フォトブリーチング / 反応性イオンエッチング / 光導波路 / 屈折率 / 光損失 |
研究概要 |
現在ファイバーツーザホーム(FTTH)に代表されるような、加入者の近傍まで光ファイバーを敷設し、高速かつ広帯域のサービスをオフィスや一般家庭に提供しようとするためのアクセス網の構築が進展している。ここで光ファイバーからの信号を処理し、オフィス内や一般家庭内で活用できる情報とするためには高速性・高感度性・高効率性を有する光信号処理光導波路が必要である。しかし現在、経済的かつ簡便な光信号処理光導波路は実現されておらず、アクセス網の光化も当初の計画ほど進んでいない。 本研究ではこのような状況に鑑み、高速性・高感度性・高効率性を有する光信号処理光導波路として、光機能性結晶を光透過性に優れる高分子光導波路と接合した新規な光導波路の作製を行い、接合光導波路の効果を明らかにした。 光機能素子の低パワー動作の実現には、光導波路化による入射光の閉じ込めが望ましいため、光機能性有機結晶の光導波路化が検討されているが、高い機能を有する有機結晶は使用波長における光損失が大きく、光導波路の実用性に欠けていた。 本研究によって高分子材料を用いた光導波路作製における低温プロセス性を生かし、光スイッチ機能、波長変換機能、波長選択機能などを有する非線形光学結晶材料を高分子光導波路と一体接合できることを実証した。優れた非線形光学特性を有するDAST結晶については、機能発現に必要な結晶部分と光の透過性に優れる高分子材料を一体化し、役割分担させることに成功した。異種材料の複合光導波路化研究として、透明高分子と電気光学高分子の接合構造化が既に行われているが、結晶とアモルファス材料(透明高分子)の接合化、すなわち、性質が全く異なる材料の接合構造化という、新しい学術分野を開発した。 本研究の結果によって今後、ガラス光導波路が現在直面している低価格化の限界を打破し、経済的かつ簡便な光信号処理回路が実現され、停滞しているアクセス網の光化計画の進展をもたらすと期待される。本研究成果のさらなる意義は、技術的、経済的観点のみならず、現在のガラス光回路が取り組んでいるハイブリッドなオプティカルベンチを、高分子光導波路を基板として機能材料を一体組み込んだ新しいモノリシックなオプティカルベンチの実現という点にある。
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