研究課題/領域番号 |
13450035
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀内 俊壽 京都大学, 工学研究科, 助手 (10238785)
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研究分担者 |
石田 謙司 京都大学, 工学研究科, 講師 (20303860)
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40283626)
松重 和美 京都大学, 工学研究科, 教授 (80091362)
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キーワード | 異常散乱反射 / X線表面伝搬波 / X線異常分散 / 全反射X線 / 表面密度 / 全反射臨界角 / 光触媒反応 / 酸化チタン |
研究概要 |
微少入射角で白色X線を表面にすれすれ入射すると全反射がおこる。入射角が決まると臨界エネルギーで等角反射し反射率測定を、そのときの散乱は全反射回折測定を可能とする。さらに同時に非対称散乱は表面を伝搬する表面進行波測定ができる。本研究はこれらの測定を組み合わせて構造・機能物性評価装置として実用化実験本研究期間の主要課題として行った。高精度化装置の開発、それによる高信頼性再現性測定から次に示す結果を得た。 1、シリコン基板上に4mm×100μm,間隔100μm,20本の白金Ptストライプをマスク蒸着で形成した。その基板表面に白色X線を低角(o.1deg以下)で入射し表面で分散した表面伝搬波(異常散乱反射、Yoneda wing)を半導体X線検出器でエネルギー分光した。基板(Si)とPtからのピークが得られ、その表面密度が計測されることを確認した。 2、表面伝搬波は全反射から屈折への遷移領域で観測される進行波であるから極表面の電子密度が計測されると予想される。その確認実験として水素終端化シリコン基板の紫外線照射下での酸化過程の表面伝搬波観測が行われ極表面の電子密度の時間変化が測定されて予測が正しいことが証明された。 3、銅蒸着薄膜の紫外線照射下での、および酸化雰囲気下での酸化過程のその場観測を応用実験として行い酸化過程で極表面にシーリング層の存在が確認され極表面密度の動的測定ができる新しい評価法への発展が期待できる。 4、化合物半導体・砒化ガリウム(GaAs(111))ウエハの吸収端を横切るX線分散による表面伝搬波測定で原子散乱因子の異常分散項の直接測定の可能性が示唆され、学問上および応用上興味ある知見が得られた。 以上の再確認実験に続き、本年度は重点的研究課題として光触媒反応評価に応用した。 酸化チタン単結晶の紫外線照射下での表面密度・格子変化を観測し光触媒反応と格子原との相互作用をその場観測し興味ある結果が得られ国際学会で発表・論文とした。
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