ピュータおよび高速画像処理装置を導入し、システム開発を行った。試料台のステージは外部信号のコントロールにより、広範囲にわたる画像データの取得が可能となった。上下対の電子顕微鏡像を取得した後、破壌機構解明のために3種類の検討を行った。一つは、フラスク解析による破壊機構の再現である。高分解能の画像取り込み装置で取り込んだ後に、これを仮想現実空間の再男が可能なCABINシステム上で再現する技術を開発した。この緒果、解析者があたかも微視破面上をウォークススルーするのと同じ状態の実現が可能となった。しかもジョイスティックスを通じた上下破面の移動によって破壊機構の理解が容易となった。二つ目は、高精度詳細画像を利用する観点から三次元詳細構造の解析を行った。ステレオマッチングと二次電子積分の両者を組み合わせることにより、両者の特徴を生かした新たな高精度三次元構造解析手法を開発した。この画像データをインターネット上で観察が容易となるようVRMLによる表現技術も併せて開発した。三つ目の成果として、画像データの破断面模様から破壊機構を特性化する手法の開発を行った。まずフラクタル次元の適用を行い、クリープ破壊の粒内、粒界破壊の判定に利用できることを示した。次に、ウェーブレット関数の適用を図り、ストライエーションの領域を画素単位で判定できる手法を開発した。この成果は、ストライエーション破面率の客観的な定量評価に応用可能で、やがて負荷応力の推定へと結び付けられることが期待できる。
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