研究概要 |
今年度の計画実施結果 本研究は,ナノメータオーダの超微細cBN(立方晶窒化ほう素)粒子が均一に統合した結晶構造を有する新しいタイプの高強度多結晶cBN砥粒の開発と先端研削加工への適用について検討することを目的としている.今年度は,サブミクロン以下の一次cBN結晶粒子からなる高強度・高純度cBN多結晶体を無触媒・直接転換法を用いて創製し,その機械的性質(高温硬さ,結晶構造,微量不純物)を測定すると共に,多結晶体を粉砕し,造粒・分級して超微細多結晶cBN砥粒を作製し,その特性を検討した. 多結晶cBN砥粒の結晶構造を,走査型電子顕微鏡により観察した結果,一次結晶粒径が500nm程度の緻密な結晶状態にあることが確認された.また,単粒圧壊試験装置により破壊荷重を測定し,砥粒の機械的性質を調べたところ,従来のcBN砥粒よりも極めて高い強度を有することがわかった.さらに,先端角120度に成形した砥粒を円板外周に取り付け,これを横軸平面研削盤主軸で回転させ,工作物上に直線溝を形成する単粒研削実験を行った結果,従来のcBN砥粒よりも非常に高い耐摩耗性及び研削性能を有することが明らかになった.
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