研究概要 |
平成14年度はマイクロ・ファイバー先端・局所光放射圧場の計算機シミュレーション解析に基づいた,光ファイバー・レーザトラッピング光学系構築のための設計技術の確立を目的とした基礎研究および新たな強制振動型レーザトラッピングプローブの開発を行い,以下の研究成果を得た. 1.最先端部が先端径約1μmの円錐状に先鋭化されたマイクロ・光ファイバーを伝搬し,その先端から射出された赤外レーザ光(波長1064nm)が,誘電体微粒子に入射した場合の光放射圧場解析モデルを用いて,有限差分時間領域法(FDTD法)を適用した局所光放射場・解析シミュレータを構築した. 2.局所光放射場・解析シミュレータを利用して,マイクロ・光ファイバー先端形状と光放射圧の関係を解析し,マイクロ・光ファイバーを利用した大気中における誘電体微粒子(プローブ球)のレーザトラップが実現できる局所光放射場・条件を定量的に解析した. 3.光ファイバー・レーザトラッピングの基本特性を解析するため,新たな強制振動型レーザトラッピングプローブを提案した.さらに,レーザダイオード(LD)の変調光放射圧およびトラッピング光源である赤外レーザ光のAOD偏向による強制振動型レーザトラッピングプローブ光学系を構築した. 4.強制振動型レーザトラッピングプローブ光学系を用いた基礎実験によって,光ファイバー・レーザトラッピングの基本特性である,プローブのばね定数を測定した.さらに,振動振幅と位相遅れの測定に基づいた位置検出メカニズムを実験的に明らかにし,それを位置検出原理として利用し,高さ2ミクロン以下の微小段差計測実験によってその有効性を検証した.
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