研究概要 |
LIGAプロセスの,フォトリソグラフィに相当するプロセスをマイクロ研削に置換できれば,LIGAプロセスでは製造できない,3次元マイクロ金型を製造できることになる.平成13年度には,このマイクロ研削に使用する,ペンシル形・微小径電鋳工具の開発を行った.具体的には,(1)直径が2mm,長さが15mmのペレット状ダイヤモンド電鋳工具あるいはcBN電鋳工具を短時間で多量生産できる,高速電鋳工具製造技術の開発,(2)ペレット状電鋳工具を工具先端直径が0.1mm以下のペンシル形に成形できる,ツルーイングとドレッシング技術の開発,(3)工具先端直径が0.1mm以下のマイクロ研削工具を使って高能率研削を行うための,耐欠損性に優れたマイクロ研削工具の開発,等の項目に関する,開発研究を行った. 得られた研究の成果は,以下のように整理される. (1)'既存の電鋳技術を用いると最低でも360時間を要する,直径が2mm,長さが15mmのペレット状ダイヤモンド電鋳工具を7.5時間で製造できる,高速電鋳技術を開発できた. (2)'高速回転仕様の横形ロータリドレッサを使用し,工具先端直径を20μm以下にツルーイングすることに成功した.また定圧研磨方式のドレッシング装置を試作し,その有効性を確認した. (3)'高速アモルファス電鋳を行うことにより,マイクロ研削工具の耐欠損性を最低でも2倍程度,向上させることに成功した.
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