研究概要 |
1.円筒面絞りに発生するキャビテーションの高速度カメラによる観察 レーザ透過光量変化をトリガにし,円筒面絞りに発生するキャビテーションを高速度カメラを用いて撮影した結果,壁面から突然空洞が発生し,下流へ成長していく様子が捉えられた.明らかに上流から流れてきた気泡の挙動とは異なり,しかも発生した気泡が急激に下流へと成長していくことから,キャビテーション初生時の空洞の動きが非常に速いことが確認できた. 2.円筒面絞り表面のはく離点近傍の温度・圧力・ひずみの測定 円筒面表面に熱電対の接点を埋め込んだ絞り表面測定用絞りと,直径0.3mmの圧力導入口を円筒面絞り表面に作成した絞り表面圧力測定用絞り,及び円筒の肉厚を薄くし,内面に歪みゲージを貼り付けた絞り歪み測定用絞りをそれぞれ作成し,円筒面周方向に回転させて,キャビテーション初生時のはく離点近傍の変化を測定した.その結果,キャビテーション発生時にはく離点近傍の温度が急激に上昇し,円筒面が液体側に歪み,絞り表面がほぼ絶対零気圧になっていることがわかった.また可視化流線の位置が流量の増加と共に絞り最小隙間位置へと移動することも確かめられた. 3.任意の液体に発生するキャビテーション初生観察のための装置の製作 油圧ピストンを用いたシリンダ内の任意の液体を絞り部に送り込む装置を設計・製作し,油を試料液体として用いた場合のキャビテーションの観察を行った.この結果キャビテーションの発生が確かめられたものの,種々の液体を用いて実験を行うためには,さらに改良する必要があることがわかった.
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