研究課題/領域番号 |
13450072
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
新美 智秀 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70164522)
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研究分担者 |
中山 浩 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40303656)
廣田 真史 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30208889)
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キーワード | ミクロスケール / 超希薄流 / 共鳴多光子イオン化法(REMPI) / 面-分子干渉 / 自由分子流 / ファントム粒子モデル / 非平衡現象 / 温度計測 |
研究概要 |
今年度までにREMPIを用いた超希薄気体流計測システムを、現有のYAGレーザー励起の色素レーザーを中心とした光学系および2次電子増倍管とボックスカー積分器からなるイオン検出系により構成した。また、色素レーザーの2倍波出力にオートトラッキング装置を組み込むことで、広い波長範囲にわたって一定出力を維持することが可能となり、同時に広範囲のREMPIスペクトルの検出を可能とした。このシステムを真空中へ噴出する窒素の超音速自由分子流の流れ場に適用し、温度非平衡現象を調査した。その結果、並進と回転温度が異なるモード間非平衡現象や回転温度の凍結現象を明らかにするとともに、貯気室圧力が非常に低密度の場合には、回転エネルギー分布がボルツマン分布とならず、回転エネルギーの低い領域と高い領域でボルツマン分布から逸脱するモード内非平衡現象を明らかにした。現在、超音速自由分子流内で生起する非平衡現象をさらに詳細に解明すべく、計測点の移動装置の作成、差動排気の採用および検出システムの変更により広範囲な貯気室圧力の設定を可能にするなどのREMPI計測システムの改良を行った。これにより非平衡エネルギー分布の計測および平衡状態から非平衡状態への遷移を明らかにする実験が進行中である。 また、モンテカルロ直接(DSMC)法に離散的な回転エネルギーや選択率などの量子効果を組み込んだ新しいモデルを提案し、窒素の超音速自由分子流に適用することでモード間およびモード内非平衡現象のシミュレーションを行い、超希薄非平衡気体流中の非平衡現象の解明を目指している。 さらに、超高真空を維持できる差動排気真空チャンバーを利用した面-分子干渉実験装置が稼動状態となり、実験装置の真空特性を明らかにした。この装置を用いて、気体分子が固体表面と干渉した際のエネルギーおよび運動量交換に関する精緻データの取得に関連した実験が進行中である。
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