電気浸透力と強磁性コロイド粒子の自己組織化過程を利用したマイクロ流体素子の開発

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13450089
• 研究機関: 東洋大学
• 研究代表者: 前川 透 東洋大学, 工学部, 教授 (40165634)
• 研究分担者: 吉田 善一 東洋大学, 工学部, 教授 (50273032)
• キーワード: マイクロ流体 / 磁性コロイド / マイクロチャネル / レーザー加工 / μ-TAS / 自己組織化 / レオロジー

研究概要

磁性コロイド粒子によって形成されるクラスター構造について理論解析を行い、クラスターパターンに与える系の温度、粒子密度、粒子間相互作用、外部磁場、系のサイズの影響を明らかにした。また、交流磁場と磁性コロイド分散系のレオロジー特性について解析し、ある磁場周波数条件において見かけの粘性係数が負になることがわかった。つまり、マイクロ流体の流れをコントロールするのに、交流磁場が有効であることがわかる。今後、実験的に負粘性を検証し、実用化する必要がある。
また、電気浸透力によってマイクロチャネル内に駆動される流体運動について、理論的定式化を行い、数値的解析を行った。電場を利用した流れの制御・物質混合方法を提案し、それを実証するための実験装置を組み立てた。今後、実験と理論解析により、効率の良いマイクロチャネル内の流動制御・混合方法について検討する。
ポリマー表面上のマイクロチャネル構造のレーザー加工に関する実験的研究を行った。幅-100μmのチャネルが安定に加工できるようになった。今後、ポリマーと溶媒界面におけるゼータ電位を測定し、電気浸透力を見積もり、ポリマーマイクロチャネル内の流動制御方法について検討する。

研究成果

• [文献書誌] Kalachev, H.Morimoto, T.Maekawa: "Derivation of a Scaling Law in Cluster Growth from a Modified Smoluchowski's Coagulation Equation"Int.J.Mod.Phys.B.. 15. 774-779 (2001)
• [文献書誌] T.Ukai, H.Morimoto, T.Maekawa: "Brownian Dynamics Analysis of Magnetic Order-Disorder Transition in a Ferromagnetic Colloidal System"Int.J.Mod.Phys.B.. 15. 817-822 (2001)
• [文献書誌] H.Morimoto, T.Maekawa: "Brownian Dynamics Analysis of Cluster Structures and Magnetic Characteristics of Ferromagnetic Particles Subjected to a Shear Flow Field"Int.J.Mod.Phys.B.. 15. 823-828 (2001)
• [文献書誌] H.Morimoto, T.Maekawa: "Statistical Analysis of Cluster Structures Formed by Dipole-Dipole Interactions"Int.J.Mod.Phys.B.. 15. 912-917 (2001)
• [文献書誌] F.Stoian, H.Morimoto, T.Maekawa: "Cluster Growth and Structures of Lennard-Jones Molecules near the Critical Point"Microscale Thermophys.Engng.. (at press.).