研究概要 |
本年度は研究計画に基づいて下記の通りの研究活動を行い,それぞれの成果と研究展開の方向性を得た. まず,固有振動数を希望の目標値にできるだけ一致させることを目的とする進化的生長変形最適化法の新しい理論の開発を行い,検証用の基礎的適用対象モデルの最適化を実行して考察した結果,その新しいアルゴリズムを確立でき,学術的視点の優位性と実用性があることを確認できた. 次に,その手法の実用化のためには,有限要素法で初期構造を精度良く,かつ,効率的に作成できなければならないことを認識され,3次元デジタイザーでの表面形状計測から半自動的に有限要素モデルを構築し,別途振動試験で得られた固有振動数情報を参照することで,有限要素モデルの精度を向上させる新しいモデル化法の開発を行った.そのシステムを利用して,実際の多気筒エンジンのクランクシャフト,コンロッド,ピストンのモデル化を行い,実用性があり、研究目標がほぼ達成できていることを確認した. またトンボの羽の構造動力学的基礎研究を継続し,昨年度よりも精密な有限要素モデルの構築を行った.脈配置ネットワークや質量特性などについては非常に精度良いモデルを構築できたが,脈各部の断面形状については計測装置の性能限界により満足する精度を得ることができなかった.高精密な直接計測は研究予算的などの諸理由により大幅な改善は望めないので,動特性計測と数理計画の最適化法などを駆使してこの問題を解決する研究を平成15年度行うことを検討している. 振動制御および騒音制御の制御理論については,適用目的による手法の優劣性等に関する考察と調査を行った.構造最適化による振動騒音の低減についてはシェル構造に関して折り曲げによる最適化法について基礎研究を行った.
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