研究概要 |
平成15年度は学部生,大学院生らの活躍により新たな展開を見ることができた。従来は,軟骨細胞に振動刺激を加える刺激効果に着目していたが,平成15年度は細胞の接着性に着目しその定量評価を主に行った。まず大まかな縦振動場を設定し,その振動場において細胞を培養すると,一方では細胞接着の促進が示され,もう一方では細胞接着は阻害され,細胞凝集体(スフェロイド)の形成が確認された。この現象をより詳細に調べるために,振動の不均一性の小さな振動場を設計し,細胞接着の定量評価を試みた。また,マイクロマシンを用いる顕微鏡下力学試験が開始され,細胞と材料との接着現象がより定量的に把握された。 早期の細胞接着は、播種率の上昇のみならず細胞の分化機構の解明と制御にかかわる重要な要素である。本研究にて振動制御により得られたスフェロイドは単体の細胞よりも実際の組織に近い機能を有しており,臨床応用に大きな可能性が示唆された。
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