研究概要 |
1.心なし研削における工作物の多角形化現象をパターン形成現象の見地から解析的に検討し,従来の実験的な研究で得られた種々の結果と非常によい一致を確認することができた. 2.製鉄機械のホットレベラに生じるワークロールの多角形化現象に関して,実機を用いて実験を行い,それを解析してワークロールの多角形化現象を解明した.ワークロールには2種類のパターンが形成されており,ホットレベラの1次および2次の振動モードに起因したパターン形成であること,それらの発生領域がワークロールの回転数においてともに存在していること,2次の振動モードによるパターンが発生しやすいことなどを明らかにした. さらに,このワークロールの多角形化現象の発生をできるだけ遅延させる対策を解析的に検討し,ワークロールの回転数をわずかに定期的に変更する対策を提案した.その結果,従来では,3ケ月毎にワークロールの交換を強制されていたものが,解析的にはおよそ2倍の交換周期も可能であることを見いだした.現在,このモータの回転数を変更するという概念を実機に適用してその効果を確認中である. 3.自動車用エンジンのバブルリフタのロールに発生する多角形摩耗現象の再現実験を実機を用いて行った.実機のピストンなどを除去して,モータでエンジンを回転させて実験を行ったが,再現に成功していない.アイドリング時にロールにパターンが形成されるという仮定で実験を遂行したが,それを証明するまでには至っていない.実際のLPガスを用いたエンジン稼働時でないと生じない現象であるかも知れない.この点を今後確認していきたい.
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