研究概要 |
はじめに,真空容器と真空装置の試作を行った。真空排気装置は市販品を用い,真空容器は設計・試作を行った。真空容器内外の電気的な入出力を行うフィードスルーは全部で6ヶ所用意し,電磁石とセンサーのための電流端子,真空装置用の測定子,熱電対のために用いた。真空排気装置は真空容器下部から取り付け,ロータリーポンプとターボ分子ポンプで高速かつ高真空まで排気出来るようにした。 新しく試作予定のフライホイール型マイクロ電力貯蔵装置の概念設計に必要な基礎データの収集を行った。具体的には,先ず,真空装置のみでの真空度評価を行った。このとき,目標到達真空度の10^<-5>Paレベルに到達した。次に,超電導体の冷却容器の真空容器内における評価を行った。冷却用構造材としては主に銅を用いた。評価項目としては,高真空に耐えてしかも変形しない冷却容器構造と材質を見出す必要があった。更に,先の構造を基に作製された超電導体の冷却ホルダーを用いて,真空中における超電導体の冷却温度の評価を行った。その結果,支持構造が小さい場合は,30K程度の到達温度が得られた。これらの結果は,高真空中でのフライホイール浮上だけでなく,その他の構成要素の設計に役立てる。さらに,浮上力の温度依存性に関して,評価する方法を考案中である。 先に行った装置設計のための基礎実験結果を基に,マイクロ電力貯蔵装置の概念設計を行った。試作するマイクロフライホイールの軸構造として,現在使用している超電導磁気軸受とほぼ同じ構造を採用した。剛性強化のためフライホイール強制変位機構を考案した。
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