研究概要 |
ヒューマノイドは人間の形をしているがゆえに,人間が持っている性能を期待しがちであるが,人間がもつ全身のしなやかさと衝突吸収能力のない身体構造ではこれからの時代のヒューマノイドヘの期待に答えることはできない.そこで,本研究では,胴体に既存のマニピュレータを4本接続したようなヒューマノイドではなく,人間のように頭部と胴体の姿勢を柔軟に制御でき,関節の剛性を動的に調節可能な人間型ヒューマノイドの実現法と行動制御法をテーマとし,頭部,胴体,四肢すべてを互いに拮抗した全身腱駆動型のヒューマノイドを造り,しなやかさと耐衝撃余裕を有する全身行動の実現方式をあきらかにすることを目的としている. 本年度は,全身の中へ腱駆動ユニットをどのように配置するかを考えて,頭部,胴体,四肢の全体構造設計を行った後,腱駆動ユニットの開発と,柔軟体幹部の開発を行った. (1)腱駆動ユニットの開発 小型バネをピストンの中にいれ,ロッドの変位を測ることにより張力を得るセンサを開発する.張力,直動変位のセンサ信号とモータの駆動を制御する部分の制御ユニットは,ネットワーク通信機能のある小型マイクロプロセッサで実装する. (2)脊椎・胸郭・肉付き部の開発 体幹部は人体のように脊柱と胸郭を設け,それぞれが自由曲面形状をもつため,粉体積層成型法を用いて樹脂により製作した. (3)腱駆動型柔軟体幹部の運動制御 腱駆動型柔軟体幹部の運動制御胴体部が前後左右とねじり動作を実行できるように,胴体内部で健を張る.各制御モジュールは,ネットワークによって繋げ,全体の統合動作制御を行う形で実現した.
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