研究概要 |
三次元座標測定機のハードウェア(特にプロービングシステム)に起因する測定の不確かさに対して,その評価方法をシミュレーションおよび統計的な実験によって明らかした. 1.三次元座標測定機での基礎実験 既存の三次元座標測定機のハードウェアに起因する不確かさを見積もるための基礎実験を行った.測定機全体の幾何学的誤差をボールプレートの測定によってモデル化した.つぎに,一点を測定する場合の不確かさを見積もるために,三次元座標測定機およびプロービングシステムの繰り返し精度を,種々の条件下で測定した.条件としては,温度,測定者,測定対象(形体,大きさ,位置)などを変化させ,実験計画法により分散分析を行った. 2.三次元座標測定機のシミュレーション 三次元座標測定機のハードウェアを計算機の中に構築するvirtual CMMの手法を,現実に適応した,三次元座標測定機を利用した基礎実験の結果を考慮して,できるだけ汎用的な三次元座標測定機のモデル化手法を開発した.その手法に基づき,一番問題となる温度による三次元座標測定機の変形を有限要素法によってシミュレーションした. 以上の実験とシミュレーションより,提案する手法の実現性が証明された.
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