研究概要 |
平成14年度の研究の内容は次の通りである。 1)入力周波数変調法によるゲルの曲線形状生成 電場応答性高分子ゲルを一様電場中において,基本周期の倍数長で極性を反転することにより,曲率が大きく複数の極を有する曲線形状に到達させる手法を提案した.本手法は,一様電場中において,片持ち梁状ゲルが入力を全く切り替えなくても自発的に波状パタンを形成する自己組織化現象を活用するものである.極めて少ない入力切り替え回数(1回-3回)で,曲率が大きく変化する曲線形状を生成することができることを実験的に示した. 2)空間分布電場平行移動法と変形運動生成シミュレーション 本研究で用いるゲルは,界面活性剤溶液中で平行平板電極の間に一端を固定した状態で配置し,電極に電圧を印加すると陽極側に屈曲する.アレイ状電極装置により生成する2次元空間分布電場でゲルを一括駆動し,これを適切なタイミングで平行移動することにより,ダイナミックな運動を生成する手法を提案した.平行移動速度を変化することで,反転や巻きつきなど多様な変形運動が生成可能であることをシミュレーションにより明らかにした. 3)ゲルロボットの巻きつき運動・反転運動制御実験 上述(2)の手法に基づいて目的動作を生成する条件を同定し,触手状ゲルの巻きつき運動および,ヒトデ型ゲルロボットの表裏反転運動制御実験に成功した.長さ24[mm]の触手状ゲルが直径4[mm]のスペーサを一周巻きつけるのに180[s],直径15[mmのヒトデ型ゲルロボットが反転するのに50-60[s]を要した.以上を通じ,本手法の有効性を実証した.
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