研究分担者 |
渡辺 正人 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20251663)
沖野 晃俊 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60262276)
堀岡 一彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10126328)
高山 健 東京工業大学, 高エネルギー加速器研究機構・加速器研究施設, 教授 (20163321)
石井 彰三 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40016655)
|
研究概要 |
研究分担者により提案されている誘導加速シンクロトロンは従来の高周波加速と異なり,荷電粒子ビームの閉じ込めと加速を独立して行うことができる全く新しい概念の加速器で,これを実現するためには高繰り返し動作が可能な高速パルスパワー電源を開発する必要がある。本研究は,高速動作が可能な高耐電圧静電誘導(SI)サイリスタを用い,バーストモードでの繰り返し100kpps(連続繰り返し1kpps),パルス幅800ns,立ち上がり・立ち下がり時間100ns,出力電圧5kV,出力電流500Aの高繰り返し高速パルスパワー電源を製作し,誘導加速シンクロトロンを実現するための基礎資料を得ることを目的としている。本年度の研究により,以下の成果が得られた。 1.構造が簡単で,高電圧を高繰り返しで発生できる誘導蓄積型電源を製作した。本電源は加速パルスと,これと等しい電圧・時間積で極性が異なるリセットパルス電圧を発生できることから,誘導加速シンクロトロンの加速電源として用いることが可能である。模擬負荷抵抗50Ω,誘導エネルギー蓄積用空芯インダクター2.6μH,加速パルス電圧250V,パルス幅900nsに対し,半値全幅120ns,ピーク電圧1500Vのリセットパルスが得られた。 2.製作した誘導蓄積型電源のスイッチング損失からは,最大繰り返し周波数は588kppsと見積もられた。 3.主スイッチング素子としてPower MOSFETを用いたパルス電源を製作し,高繰り返し動作試験を行った。 4.ファインメットを用いた結合用コアを製作し,冷却についての検討を行った。 5.動作速度の向上を目的に,定格電流容量50AのSIサイリスタ素子を開発した。 6.これらの成果を基に,現在,ビーム電流値の向上について検討を行っている。
|