研究概要 |
平成13年度は以下のような実験検討を行った。 1)パルス変調誘導熱プラズマの生成 本年度は,周波数450kHz,出力50kWのパルス変調可能な高周波プラズマ炉を用いて,各種ガス(N2、O2、H2、CO2、Ar, He)プラズマの安定発生実験を行い,プラズマからの放射強度変化のガス種依存性を計測した。 2)各種解離性ガスの輸送特性の評価 これらガスのアーク遮断性能を基本的に左右しているのは,高温プラズマ時における,導電率,熱伝導率,エンタルピー等のいわゆる輸送特性,熱力学特性である。これを,考えているすべての解離性ガスに対して計算により明らかにした。 3)プラズマ高温場の実時間計測 まず定常のプラズマを点火維持し,プラズマ温度を診断した。現有設備備品であるマルチチャンネル分光システムによりプラズマからの放射強度の径方向分布を一括測定できる。これによりプラズマ温度の径方向分布を実測し,SF6と各種ガスとの熱プラズマへの影響についての相違を確認した。具体的には,SF6, CO2を混入させると,他のガスを混合させた場合に比較して放射強度および温度が極端に低下することを見出せた。 4)レーザー誘起プラズマの生成 高圧容器中にSF6を封入し,YAGレーザ照射によりマイクロプラズマを生成、過渡的に進展、減衰する高温部にパルス電圧をかけることにより、ガスの高温(数千度)における絶縁破壊特性を診断した。その結果,プラズマ消滅仮定における過渡的な絶縁破壊電圧の計測ができる目処をつけた。
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