2002 年度実績報告書

強誘電結晶のエンジニアド・ドメイン構造とその高い圧電性の解明

研究課題

研究課題/領域番号	13450118
研究機関	東北大学
研究代表者	中村僖良東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005365)
研究分担者	山崎大輔東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20333867) 山田顕東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80134021)
キーワード	ニオブ酸カリウム / 圧電 / 擬立方晶 / 強誘電体 / 電気機械結合係数 / ドメイン / 厚み縦振動 / KNbO_3
研究概要	本研究の目的は、擬立方晶構造を有する強誘電結晶のエンジニアド・ドメイン構造(有極性マルチドメイン構造)ならびにその歪-電界特性を詳細に調べ、ドメイン挙動の解明、ドメイン制御法の開発、高い圧電性の機構の解明を図ることにある。本年度の研究成果を以下に要約する。1)KNbO_3結晶を相転移温度(225℃)以上まで加熱したとき、ならびにそこから冷却したときに、ドメイン構造がどのように変化するかを実験的に調べ、その結果を定性的に説明した。また、相転移温度以上に加熱処理をした場合に、元のシングルドメイン状態に戻す方法として、応力印加と電界印加を併用する方法を考案し、実験的にこれに成功した。2)KNbO_3(001)_<pc>カット結晶のエンジニアド・ドメイン構造を調べるため、結晶を加熱後[001]_<pc>方向に電界を印加しながら冷却することにより、エンジニアド・ドメイン構造を形成させ、圧電特性を調べたところ、圧電性はエンハンスされないが、ヒステリシスがほとんどなくなることを明らかにした。またそのドメイン構造をX線回折と偏光顕微鏡により調べ、2種類の90°ドメインからなる層状有極性多分域構造が形成されることを初めて明らかにした。3)さらに高電界を印加したときに電界により正方晶への相転移が誘起される可能性について調べたが、絶縁破壊が生じたため、まだ確認できていない。また、60°分域壁の発生は大きな圧電歪を発生させることが示された。4)KNbO_3結晶の高結合カットを応用した高周波(中心周波数60MHz)超音波トランスデューサを開発し、従来の高結合圧電材料よりも広帯域で低損失な特性が実現できることを実証し、その有用性を示した。5)超高周波応用を目指して、KNbO_3薄膜の形成法としてECRアシストPLD法を開発し、単結晶薄膜のエピタキシャル成長に成功した。

研究成果

(10件)

すべてその他

すべて文献書誌 (10件)

[文献書誌] K.Nakamura: "Domain Structures in KNbO_3 Crystals and Their Piezoelectric Properties"J. Appl. Phys.. 91・11. 9272-9276 (2002)
[文献書誌] 中村僖良: "新しい圧電結晶KNbO_3の魅力"日本音響学会誌. 58・8. 524-529 (2002)
[文献書誌] K.Nakamura: "Piezoelectric Properties and Domain Structures of KNbO_3 Crystals"Proc. International Conference on New Piezoelectric Materials and High Performance Acoustic Wave Devices. 13-20 (2002)
[文献書誌] K.Nakamura: "Piezoelectric Applications of Ferroelectric Single Crystals"Proc. 2002 IEEE International Symposium on Applications of Ferroelectrics. (2003)
[文献書誌] 石川一夫: "ECRアシストPLD法によるKNbO_3薄膜のエピタキシャル成長"日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会第79回研究会資料. 25-30 (2002)
[文献書誌] 常盤豪: "51.6°回転X板KNbO_3結晶を用いた高周波超音波トランスデューサ"日本音響学会講演論文集. 1125-1126 (2002)
[文献書誌] 新井孝: "ECR-PLD法によるKNbO_3圧電薄膜の成長"電子情報通信学会2003年総合大会講演論文集. (2003)
[文献書誌] 中村僖良: "ECR酵素ビームを用いた圧電薄膜の成長と弾性波デバイスへの応用"Sputtering & Plasma Processes. 17・5. 31-40 (2002)
[文献書誌] 中村僖良: "KNbO_3結晶を用いた端面反射型BGS波共振子"日本音響学会講演論文集. 1129-1130 (2002)
[文献書誌] 山崎大輔: "KNbO_3横効果長さ伸び振動子の電気機械結合係数"平成14年度電気関係学会東北支部連合大会. (2003)

2002 年度 実績報告書

強誘電結晶のエンジニアド・ドメイン構造とその高い圧電性の解明

研究代表者

中村 僖良 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005365)

研究成果

[文献書誌] K.Nakamura: "Domain Structures in KNbO_3 Crystals and Their Piezoelectric Properties"J. Appl. Phys.. 91・11. 9272-9276 (2002)

[文献書誌] 中村僖良: "新しい圧電結晶KNbO_3の魅力"日本音響学会誌. 58・8. 524-529 (2002)

[文献書誌] K.Nakamura: "Piezoelectric Properties and Domain Structures of KNbO_3 Crystals"Proc. International Conference on New Piezoelectric Materials and High Performance Acoustic Wave Devices. 13-20 (2002)

[文献書誌] K.Nakamura: "Piezoelectric Applications of Ferroelectric Single Crystals"Proc. 2002 IEEE International Symposium on Applications of Ferroelectrics. (2003)

[文献書誌] 石川一夫: "ECRアシストPLD法によるKNbO_3薄膜のエピタキシャル成長"日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会第79回研究会資料. 25-30 (2002)

[文献書誌] 常盤豪: "51.6°回転X板KNbO_3結晶を用いた高周波超音波トランスデューサ"日本音響学会講演論文集. 1125-1126 (2002)

[文献書誌] 新井孝: "ECR-PLD法によるKNbO_3圧電薄膜の成長"電子情報通信学会2003年総合大会講演論文集. (2003)

[文献書誌] 中村僖良: "ECR酵素ビームを用いた圧電薄膜の成長と弾性波デバイスへの応用"Sputtering & Plasma Processes. 17・5. 31-40 (2002)

[文献書誌] 中村僖良: "KNbO_3結晶を用いた端面反射型BGS波共振子"日本音響学会講演論文集. 1129-1130 (2002)

[文献書誌] 山崎大輔: "KNbO_3横効果長さ伸び振動子の電気機械結合係数"平成14年度電気関係学会東北支部連合大会. (2003)

2002 年度実績報告書

中村僖良東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005365)